インド発スマホベンチャーが爆発的な成長 日本人が知らない、インドの注目企業<2>

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そこでマイクロマックスは徹底して、インドの需要に応える努力をする。たとえばフィーチャーフォン時代には、30日間持続するバッテリーを搭載した。慢性的な電力不足に苦しむインドにおいて、これは非常に画期的な製品だ。また、SIMカードを2枚装着できるスマホ端末を発売したのも、インドではマイクロマックスが初めてだ。こういった、飛び抜けて技術力が高いわけではないが他にない機能を搭載した結果、インドユーザーから圧倒的な支持を集めるようになった。

マイクロマックスは「Nothing like anything (他の何とも違う)」というキャッチフレーズを掲げているが、その言葉通り、マイクロマックスの製品は差別化がしっかり図られている。

中国の安物ブランドを蹴散らした

マイクロマックスには、ノキアのような世界的大手以外にも戦う相手があった。大手ブランドのコピー製品を低価格で売り込む中国企業だ。実際、一時のインド市場にはこうした中国端末があふれ返っていた。そこに、ほとんど無名に近かったマイクロマックスが突然出現し、市場を勝ち取ったのである。

いまやインドのスマホユーザーにとって、中国製品はその価格の安さを考慮しても大きな魅力を持たなくなっている。インドではユーザーを魅了できる機能や価値があることが重要で、安いだけではもはや意味がないのである。

いまやマイクロマックスは国内560以上の地区に12万5000店もの販売店網を張り巡らせている(直営・FCの別は不明)。加えて、海外進出にも積極的で、ロシアやインド以外の南アジア各国でも販売している。インド発のスマホブランドがどこまで躍進するだろうか。

帝羽 ニルマラ 純子 インドビジネスアドバイザー

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ていわ にるまら じゅんこ

インド共和国・バンガロール生まれ。法政大学大学院修了。来日以来14年間で、日印コンサルタント会社起業を経て、現在インドビジネスアドバイザーとグローバル人材トレーナーとして活躍。著書には、2013年にインドの諺について日本語で解説した『勇気をくれる、インドのことわざ』がある。インドの諺を日本語で紹介する本の発行は、長い日印の歴史でもこれが初。2014年には『日本人が理解できない混沌(カオス)の国 インド1―玉ねぎの価格で政権安定度がわかる!』 『日本人が理解できない混沌の国インド2―政権交代で9億人の巨大中間層が生まれる』発行。

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