ネット通販の世界的なガリバーといえば米アマゾンだが、その巨人の手腕でも難攻不落な市場が世界にはいくつかある。そのうちのひとつがインドだ。最大手のフリップカートとそれに続くスナップディールという地場の手強いライバル企業が、アマゾンの躍進をはばんでいるのだ。このうち、本稿ではスナップディールに注目する。
スナップディールは、米ペンシルバニア大ウォートン校を卒業したクナル・バールCEOが2010年に創業したベンチャー企業。創業当初は米グルーポンのような共同購入サイトだったが、のちに個人消費者向けのネット通販サイトに方向転換した。現在の登録ユーザー数は2000万人超にも上る。
売上高など詳細な業績は非上場企業のため明らかになっていないが、着実に伸びている様子だ。現在、15の都市に設置しているフルフィルメントセンター(発送センター)を、今後9カ月間で30都市に拡大する計画だという。
ラタン・タタ会長が出資
スナップディールの成長ぶりには、国内外の投資家も強い関心を寄せている。8月、インドを代表する財閥タタ・グループを率いるラタン・タタ会長が、スナップディールに個人的に出資したことが明らかになった。ラタン会長がベンチャー企業に出資するのは初めてのことだ。これに先立つ5月には、草創期のアリババに投資していたことで知られるシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスも出資している。
投資家が熱い目線を送るスナップディール。この企業がどのように成長してきたのか、何を目指しているのか、クナル・バールCEOとロヒト・バンサルCOOにインタビューした。
――創業から4年で、インドを代表するネット企業のひとつになりました。
クナル:昔の同級生と「何かを一緒に始めよう」と話し合って創業しました。創業当初は私の寝室の机がみんなとの共用デスクだったんです。わたしたちのターゲットは、BtoCでインド最大のオンラインマーケットを築くことです。広大なインドの全土に、私たちのプラットフォームを普及させていきます。そのために、集中すべき重要な事柄を毎月3つずつ実行しています。
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