日本経済を殲滅(せんめつ)せよ エドワード・ミラー著/金子宣子訳 ~真珠湾前に金融パワーで対日戦に勝利した米国

日本経済を殲滅(せんめつ)せよ エドワード・ミラー著/金子宣子訳 ~真珠湾前に金融パワーで対日戦に勝利した米国

評者 津田倫男 フレイムワークマネジメント代表取締役

 孫子の兵法で最もよく知られている言葉が「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」である。本書では対日戦で敵(日本)を知り、敵の弱みを徹底して突いた米国の勝利の方程式の一部が開示されている。

フランクリン・ルーズベルト第32代大統領が本書の主人公のひとりである。その従兄であるセオドール・ルーズベルト第26代大統領が日露戦争終了直後に策定を指示した「オレンジ計画」は、「アナコンダ計画」の派生であったことから書き起こす。そのアナコンダ計画の骨子は、南北戦争時代の南部諸州を「島国」と見立てて経済封鎖を実施することにあったと暴露する。つまり米国は太平洋戦争開始の35年も前から日本の経済封鎖を考えていたというのである。

日米の経済関係が絹糸や金を通じて密接に結びついていたことを詳細に記し、金に代わる決済手段である米ドルを日本が巧妙に米国から移動させようとしていた(そして一部成功した)ことにも言及する。また原油の輸入量を増やし、備蓄を日本が進めていたことを随分前から米国政府機関が承知していたこと、横浜正金銀行がドル移転に際して相当な功績があったことなど、あまり世間で知られていない事実にも触れている。

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