直近の事業数値から推測するに月商は4000万円を越えている。このペースでいけば2015年3月期決算は年商約5億円と見積もることができ、広告に派手に投下する様子も見受けられず、月額課金が主流であることからそれなりに高い利益率の確保が見込める。
「1日でも早く成長して社会に役立ちたい。社会的信用力向上が見込めるため、できるだけ早い上場を考えている」
元榮氏のコメント通り、事業性質上信用力が重要であろう。既にそう遠くない未来に上場できる規模となっており、筆者の勘ながら上場は近いのではないかと感じ取った。
【梅木雄平のスタートアップチェック】
●経営陣:4.7 元榮太一郎氏の市場を見抜く先見の明、事業をやり切ろうとする力強さ、優秀な人材を巻き込む人間力の高さゆえに立ち上げられた事業だと考えられる。筆者が元榮氏にはじめて会ったのは2012年4月頃で現在の急拡大フェーズの直前だったが、その力強さから必ずや事業を拡大させるだろうと確信を得ていた。
●市場性:4.3 供給数増加に伴う弁護士の需給構造の変化を受け、「弁護士マーケティング市場」という新市場がこれから創造される。その規模は弁護士業界市場1兆円から逆算するとインターネット広告の市場規模は最大で約1000億円程度と見込まれ、競合も国内にはほぼいないことから、市場の拡大をそのまま享受できると判断。
●利益率:4.5 法人向け月額課金のため高利益率を実現しやすい。月額課金単価2.8万円と発表されており、退会率も低いと仮定すると年間1人あたりの弁護士からの売り上げが約33万円。安定的に高収益を維持できると推測。
●競合優位性:4.8 国内の弁護士サイトはほぼ競合にいないブルーオーシャンといえる。むしろ競合がいなくて元榮氏が寂しそうに見えたほど。
●海外展開力:- 現段階では海外展開の話はないため据え置き。
●総合点:4.3 経営陣、市場性、利益率の高さ、競合優位性いずれも高得点となった本連載でも稀な企業といえる。だが弁護士関連インターネット事業だけでは時価総額1000億円は見込めない。周辺領域の税理士や医療分野において弁護士ドットコムと同様の収益性を実現し、横展開が可能となれば2017年頃に500億円の時価総額が付いている可能性はある。現段階では弁護士ドットコム事業のみの評価とし、事業スケールを鑑みた総合点とした。
●予想EXIT:2014年末に上場
●EXIT時推定時価総額:約150億円
推定根拠:2015年3月期決算の予測は文中の月商4000万円を単純に掛け算して年商5億円。売り上げ原価はさほどかからないため営業利益2-3億円程度と想定。倍々の成長を期待して2016年3月期決算で年商10億円、営業利益5億円と予想。メディア事業なので高めのPERが付く。2016年3月期の純利益3億程度に対してPER50倍で約150億円規模の上々になると予測。
(撮影:尾形文繁)
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