市場を見て単純計算すると今後10年で国内の弁護士数は約5万人となる。弁護士の供給量が1.5倍に増えても法律相談需要も1.5倍に伸びるとは限らない。従来の供給の希少性が低下し、需給関係に変化が生じる。この市場環境において、弁護士にマーケティング需要が発生するのは明確といえよう。
弁護士事務所は人件費以外原価がほぼかからない利益率の高い商売であり、顧客獲得のためにこれから広告費を投下していくことは想像に難くない。
既に月商4000万円規模。近く上場も?
まず弁護士ドットコムはメディア力を足下で着実に伸ばしてきた。初期はユーザー投稿による無料法律相談でサイト内にコンテンツが増え、検索流入増に寄与した。2012年からは弁護士ドットコムトピックス(現:弁護士ドットコムニュース)というニュースメディアを始め、Yahoo!との連携もありヤフトピにも度々掲載され始める。ニュース記事がSNSで拡散し幅広く読まれた結果が、また検索流入増に寄与した。こうした2つの急成長への分岐点を経て、ユニークユーザー数やPVが急増した。
弁護士ドットコムの月間サイト訪問者数の伸びの様子はこちら
有料登録弁護士数:約1200人
平均月額課金単価:2.8万円
ライトプラン:2万円
スタンダードプラン:3万円
プレミアムプラン:5万円
弁護士ドットコムの有料サービスに登録すると、プロフィールページの充実や、検索結果の優遇など、相談者からの問い合わせ率が上がるようになる。有料課金弁護士の月間平均問い合わせ数は約6件。そこから1件でも受任に繋がれば、離婚相談は約50万円、交通事故は約70万円、相続は約100万円という単価の相場観もあり、月間3万円程度の広告掲載費も元はすぐに取れてしまう。採算性が高い広告商品といえる。
「まだスマホから問い合わせへの導線の設計が不十分な点もあり、サイト改修を急いでいます。サイトが整備され、訪問者数も右肩上がりで伸びていけば、問い合わせ数はもっと増えていくでしょう」
弁護士という分野を深く掘り下げ、まだまだ他の手段でのサービス展開も考えているようだが、周辺分野である税理士ドットコムというサービスも展開しており、こちらはマッチング手数料で生計を立てる。他にも医療分野への参入もささやかかれ、弁護士ドットコムモデルを横展開する動きもありそうだ。
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