8割が頼まれ仕事、それがおもしろい

小澤隆生×瀧本哲史 対談(上)

瀧本:ヤフー・ショッピングでの戦略をもう少し深く聞いてもいいですか。

小澤:仮説は1から30ぐらい用意してあります。今はまあ間違いなく大丈夫だと思っている仮説は、人が欲しい商品を一番安く売ればいい、ということです。欲しい商品の把握は、検索エンジンがあるから結構できる。価格は、システム料を無料にしちゃえば、競合よりは絶対に安くなるに決まっている。

もう一つ、ここでしか手に入らない商品というのを作りあげるのも必要です。例えば出店料を無料にすることで、ヤフーを出店先として一番最初にご検討いただける場所にする。だから商品数を増やしましょうよ、と提案する。縦軸に価格、横軸に商品数をとって、これを一番深く掘って一番横に広げた時にまずお客さんがどう動くんだろうか。これをとことんやってみようという仮説を立てています。

あとのどが渇いている時に、遠くでコーラが80円で売っていたとしても、目の前の自動販売機で120円払って買いますよねと。つまり欲しがっている人の距離感として、一番近くに売り場があるかどうかっていうのは、検索を持っているヤフーにとってはとても重要なことだと考えています。コンビニエンスストアの素晴らしいところは居住空間とか、人がいるところに売り場が出かけているわけです。場所こそが重要というのが、コンビニエンスストア。では、それをインターネット上で考えるとどういうことになるか。ニーズというのは検索されるものです。だから購買行為を検索、つまりニーズにグッと近づければ、ものすごく便利になる、という仮説を持っています。

一番安ければ売れるのは決まっているし、今、本当に安くなりつつあるんですよ。シンプルなロジックをやるために、戦略としては突飛なものになる。そこは、まあまあ私としては多少アーティスティックな部分なんですよ。価格を下げるためにはうちの取り分をゼロにしちゃえばいい。これを真正面からいけるかどうかが一つのポイントになると思うんですが、多くの場合、なかなかここまで行ききれないと思うんですね。

どこまで深くやれるか

瀧本:目的はオーソドックなもの。それを達成するためにちょっと変わったことをやる、あるいは徹底的にやるというのが、小澤さんの基本的なスタイルですね。

小澤:そうかもしれません。絶対に合っていることをどこまで深くできるかという話だと思うんですよ。試しに小さな実験をすることが多いですけど、それで「合っているな」と思ったら、いきなり100倍とかの規模でズドンとやるのが、僕のやり方ですね。

(構成:圓岡志麻、撮影:尾形文繁)

※ 後編はヤフー小澤流は、「渋いギタリスト」を目指すです。

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