スキルを磨くことは、すべて志の達成につながっている
一般的に、「高尚なもの」「他人のために動くこと」が志のように思われているため、この定義は一見すると、多くの方が想定する「志」のイメージからは遠いものかもしれません。しかし、先に述べた坂本龍馬や松下幸之助の例を見てもわかるように、一定期間、人生をかけてコミットする目標を「小志」、一生涯を通じて達成しようとするものを「大志」と分けると、大志の実現は、あくまで無数の小志が積み重なりながら成されると言えるのです。
そして、このように定義すれば、中学のときに一生懸命取り組んだ野球、大学受験に真剣に取り組んだ1年、学生時代に大会での優勝を目指して頑張った体育会での活動など、その時々の営みを、「小志」としてとらえることができるはずです。つまり、誰もがこれまでにさまざまな志を抱き、それを積み上げながら生きてきているのです。
あるときに胸に抱いた志を達成するために、必死に活動し、いずれ終焉を迎える。それまでの自らの活動の意味や位置づけを客観視しつつ、次に取り組むことを自問自答する。そして、新たな目標を設定し、またその達成に取り組んでいく。これこそが、何歳になっても続けるべき、「自分探し」にほかなりません。
この記事を読まれている方の多くはビジネスパーソンの皆さんだと思います。現在の仕事や業務に人生をかけてコミットできているのであれば、迷うことなく、「やりきった感」で心が満たされるか、なんらかの力が働き、それが終わるまで、突き進んでみてください。きっとその先でまた、新しい志を育てることができるはずです。
もし、現在そうした状況にないのであれば、ぜひ、自分自身の志がどのような状態にあるのかについて、自分の心と見つめ合っていただければと思います。
これまで3回の連載でお伝えしてきたすべての能力開発は、志の実現、そして次の志を育てることにつながっていくと思います。逆に言えば、志がなければ能力開発にも力が入りません。能力開発と「自分探し」は、クルマの両輪なのです。
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