ガキ大将の息子が「悪意なきいじめっ子」?

弱者の痛みを知るだけでなく、共感できる子に

人権教育に熱心な先生方はよくおっしゃっておられました。「まず親から教育したいです。親の偏見がそのまま子供に伝わっている場合が多いのです」。

一彦君はもう9歳ですね。ニュースなどで私たちが知ることができるイジメや差別の事例もとりあげて、お母様の言葉で根気よく、それがいかに根拠がなく意味のない、恥ずべき弱い者イジメであることかを、また人によって感じ方は大きくことなり、無意識に相手を大きく傷つけてしまうことがあることを、そしてイジメにあった時は一人で悩まずに、すぐに誰かに相談することを説明し教えるのは、親の大切な責任であり義務だと思います。

「知識」として学ぶより、「感覚」の共有が大切

若宮啓文氏著「新聞記者」の中に、部落差別に関する親子二代の取材エピソードがあります。「生まれてくる子まで差別される苦労が目にみえている」と猛反対する女性の両親を説得できず、「生まれてくる子供は、差別に負けない強い子供に育てればいいことだ」と、強い決意で結婚された長野県の小林夫妻。

時は流れて「差別に負けない強い子」に育った小林夫妻の長女が小学6年生の時に、「差別をなくす市民集会」で読み上げた作文があります。

「おじいさんは(おばあさまはその後、娘の小林夫人とは一度も顔を合わせないまま、亡くなられたそうです)、花がとても好きな人だったそうです。あるとき、あやまって母が花のつぼみを折ってしまったことがありました。その時、おじいさんは『おまえには花の痛みがわからないのか』と、とても怒ったそうです。花の痛さがわかるおじいさんが、どうして自分の娘の心の痛さがわからないのでしょう。」

「もし(父の出身である)部落についておじいさんが正しく勉強していれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか。私はおじいさんに会いたいです。会ったら部落のことを正しく教えてやりたいのです。それなのに会えないのです」。

差別やイジメに大きいも小さいもありません。知識としてでなくその人たちの心の痛みまで今も共有できているか、私は自問自答しました。

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