日本の高炉鉄鋼メーカーを取り巻く需要環境の変化と、原材料値決め変更などへの対応《ムーディーズの業界分析》


原材料の新値決め方式

一方、資源大手は原材料価格に需給を反映させやすくするために、四半期ベースで値決めする新方式を導入した。これに伴い、鉄鋼メーカーの原材料仕入れ価格の値決め期間は、寡占化した資源大手に押し切られる形で、年間ベースから四半期ベースへ移行した。その資源大手3社(Vale、Rio Tinto、BHP)のシェアは、海上貿易量ベースでは67%(08年)に達している。

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日本の鉄鋼メーカーの対応

これまでの日本の鉄鋼メーカーにとって、原材料仕入れ価格も年ベースの値決めであり、国内顧客向け販売価格も同様に年ベースであったため、仕入れ価格と販売価格のスプレッドは安定的に確保しやすい状況にあった。しかし、新値決め方式の導入によって、仕入れ価格と販売価格との間で値決め期間のギャップが生じる事態となった。

日本の鉄鋼メーカーは、販売価格の値決め期間も、仕入れ価格と同じく四半期ベースへ移行すべく顧客と交渉してきた。当初、顧客業界は強く抵抗していたが、鉄鋼業界の顧客に対する強固な価格交渉力を背景におおむね受け入れられたようである。鋼材のクオリティが顧客のプロダクトの競争力に直結しているケースが多いことから、顧客業界にとっては代替品も乏しいと思われる。

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