関西国際空港の挑戦[3]--免税店エリアが大変身、意外な売れ筋とは?
「世界の荷物が動き出している」
免税店エリアの活性化だけでなく、関空の経営に明るい材料となる動きがもう1つある。貨物取扱高の増加だ。「貨物がものすごい勢い。世界中の荷物が動き出していると感じる」(福島社長)という言葉にそれが表れている。
関空の貨物取扱量は、2008年秋からの世界不況と同時に低下。そこから前年割れの状況が続いたが、昨年12月から上向き出した。いまではリーマンショック前の水準にまで戻りつつあるようだ。貨物は従来、中国と関空間の運搬が主流だったが、最近は中国の荷物が関空を経由して、北米や欧州に運ばれるケースが増えているという。
そもそも、関空は国内唯一の完全24時間空港のため、その強みを貨物便で活かすことができる。深夜に生鮮農産品などを空輸し、次の日には輸出先の店舗に並べる、という荒技も可能だ。
関空では、こうした強みを最大の武器に、新規就航便の獲得にも成功している。7月には、イタリアの航空貨物カーゴルクスイタリアが、ミラノ−関空−香港−ミラノという経路で就航し、中国/台湾のエバー航空も、台北−関空−ロサンゼルスの貨物路線を新設した。