関西国際空港の挑戦[3]--免税店エリアが大変身、意外な売れ筋とは?
先述のとおり、中国人などアジアの観光客向けに家電売り場を設けていることも、関空の特徴の1つだ。中国国内で買うと価格が3倍にもなることや、日本国内の量販店で買うと旅行中の手荷物が増えることもあり、中国人は出国直前の関空免税店で炊飯器ジャーや、電気かみそり、デジカメなどを購入していくようだ。
キッズルームでも、独自のサービスを展開する。絵本やパズルゲームなどを楽しめる遊具スペースだけでなく、授乳スペースやおむつ替えベッド、赤ちゃん用のお昼寝ベッドを備える。紙おむつと粉ミルクを無料で提供するというサービスもある(1人、それぞれ1個限定)ので、機内に持ち込む数に不安があるときは、ここで補充することもできる。
「夏休みに入ってお客様のご利用が増えている。7月24日は、普段の倍の51名の来店があった」(キッズルームの女性スタッフ)。
保安検査の厳格化に伴い、早めに出国審査を済ませて、出国エリアの中でゆっくりと過ごす利用客も増えている。関空はこういった利用客を当て込んで商業施設をリニューアルしたわけだが、狙いは的中しているようだ。「(売り上げに伴うロイヤルティ収入などは)全般的に計画を上回っている。利用客が増えているうえに、1人で3点もの商品を買われるなど、購入点数も増えている」と、関空の広報担当者は説明する。