では、いかに社内の飲み会を断るかですが、断ることを実践している方はそれなりに工夫しているものです。飲み会に誘われるたびに、病院への見舞いや法事ということで家族や親族を病気にしたり殺したりしていた人がいましたが、これは継続性がありませんのでお勧めできません。また、毎度のことで断るネタが尽きたのか、「今日は家で髪の毛を洗いたいので」と意味不明な理由を口走った男性もいましたが、これも微妙ですね……。
「飲みに行かないキャラ」を確立
私自身が個人的に実践している方法で、いちばん簡単なのは「相手にそもそも誘わせない」ことです。たとえば、就職や転職後、組織に入って間もない頃に、「飲み会には行かないキャラ」を確立するという手です。「最初に誘われたときに断わる」というちょっとハードルの高い方法ですが、それ以降、誘われなくなる(=相手も誘わなくてよくなる)というお互いにとって遠慮しなくてもよい関係になる利点があります。
当然、それで仕事ができなければ「変わった人キャラ」に認定されるリスクがありますが、仕事ができれば周りは文句を言いません。私はこの方法を最初に入った会社から現在の勤務先まで3社で実践し、現在の会社でも「飲み会に誘うほうが失礼」と周りに認識されています。結果としてお互いに優先順位の高いことに注力できますし、「形式的に誘う→頑張って理由を考えて断る」という面倒なプロセスを踏まずに済んでいます。
飲み会に行かないことが、チームワークを含めた仕事に影響を及ぼしたことはいまだかつてありません。私は飲み屋ではなく、毎日の仕事においてコミュニケーションを当たり前のように取っていますので、退職後もさまざまな相談をされるし、自分からもできる、という間柄を多くの方と築けています。
ちなみにこの方法の副次的なプラス面は、普段、参加しない自分が何かの拍子に参加したり、相手を誘ったりした際に相手が勝手に喜んでくれる、ということでしょうか。普段、参加しないからこそ、会話に新鮮味もあり、お互いにとって有益な時間を過ごせるのかもしれません。逆に言えば、惰性で頻繁に行く飲み会には、この有意義さやプラス面がまったくない。だから敬遠する方が少なくないのだろうと思います。
しかしながら、太郎さんのケースではすでに飲み会に参加した「前科」がありますので、この方法をいきなり使うと周りは唐突に感じるでしょうね。そのような場合に有効なのは、「宣言する」ことです。「飲み会に行きません!」と宣言するのではなく、「飲み会以上に重要なことができた」と宣言するのです。
たとえば「資格試験に××までに合格したいので、勉強に時間を費やしたい」「○○までに起業したいので、仕事後の時間はその準備をする」など。実際にこの方法で成果を出した人が私の知人に複数いますし、周りからも応援されるというプラス面があります。
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