新規事業に苦戦する人々がわかってない失敗法則 ビジネスモデルを具現化しやり切る為に必要な事
イノベーションのために取り組む新規事業。しかし、多くのエネルギーを費やしても新規事業の多くが失敗する。一方で、新規事業を次々と成功させ続けることができている企業もある。新規事業を成功させるコツは実はとてもシンプルで、ビジネスモデルを真摯に考え、設計し、実現することにある。
拙著『PwC Strategy&のビジネスモデル・クリエイションー利益を生み出す戦略づくりの教科書』でも詳しく解説しているが、具体的には、ビジネスモデルに関わる1つの大きなハードルを乗り越えればよいのである。1つ目はビジネスのコンセプトに新規性はあるか、2つ目はビジネスモデルが適切に設計できているか、そして3つめはビジネスモデルを実現しきれるか、である。すべてクリアしないと新規事業は事業として成功することはない。
前々回「新規事業がうまくいかない人々に足りない3視点」(2021年11月30日配信)では、ビジネスの新規性の罠の抜け方を、前回「『客が置き去り』新規事業にありがちな3つの盲点」(12月25日配信)ではビジネスモデル・クリエイションの過程で多くある課題と対応策について紹介した。今回は「ビジネスモデルを具現化する」ことに焦点を当て、そこで生じる代表的な課題と対応策を見ていこう。
ビジネスモデルを具現化する
新規性の壁を乗り越え、素晴らしいビジネスモデルを描き切り、関係者からも大きな期待を受けて鳴り物入りで始めたものの、実際にやってみると赤字が続き、ほどなく打ち切ったという話をよく聞く。やってみて想定外の状況に直面した、都度対応しているうちに推進チームもチームを支える上層部も疲れてしまい、打ち切りになってしまうこともある。
ビジネスモデルは大きく3つの要素、戦い方(価値提供)、ケイパビリティ、商品・サービス体系が精密機械のように関連しあっていることを前回お話しした。
戦い方(価値提供)、ケイパビリティ、そして商品・サービスの3つが一貫性をもってお互いを支えあうときにビジネスモデルは利益を生むようになる。とはいえ、実現されないビジネスモデルは価値を生むことはない。新しいビジネスモデルの具現化フェーズも簡単ではない。やってみないとわからない、そして、やりきらないといけないのである。
しかし、ご安心あれ、ここにも対応策はある。
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