「子どもは静かに溺れる」本当に怖い家庭内事故 7割の人がヒヤッと、子どもの事故を防ぐには?

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「ヒヤリ」で済めばいいが、家の窓やベランダといった高い所から転落すると、最悪の場合は死亡事故につながることもある。

2020年度に国土交通省に、事故報告があった子どもの転落事故は5件。いずれもマンションのベランダから転落した事故で、3件は死亡、2件は重症だった。原因不明の1件をのぞき、ベランダに置いてあった物を足掛かりにしたり、柵の下部に足をかけてよじ登ったりして、手すりを乗り越えて落下している。

消費者庁が公表した過去の転落事故の事例では、窓を開けた状態で子どもが網戸に寄りかかり、網戸がはずれて窓から転落した事例や、ベランダから家族を見送る際に、鉄棒の前回りのときのようにつかまって前のめりになり転落した事例などが報告されている。いずれも中等症の怪我だった。

これらは政府が把握した事例であり、家庭内の子どもの事故の氷山の一角にすぎないだろう。子どもは好奇心が旺盛なうえ、高さを認識する機能が未成熟なため、危険を感じにくいことを、親は頭に入れておきたい。

消費者庁によると、3~4歳の子どもの転落事故が多く発生している。また、たとえ2階からの転落でも、入院が必要とされる中等症以上と診断される事故も多いという。

窓やベランダからの転落事故を防ぐには、少なくとも、ベランダで子どもだけを遊ばせない、ベランダのエアコンの室外機やガーデニンググッズなどを足場になる位置に置かないなどに注意する必要がある。

冒頭の調査結果のように、転落だけでなく、転倒も注意したい点だ。国土交通省が「安全・安心なマンションのために」という冊子で、7つのチェックポイントを紹介している。

【家庭内の子どもの転落転倒事故を防ぐチェックポイント】

□適切な手すりがついているか? 手すりがぐらついたり、はずれたりしていないか?
□外廊下やベランダ、窓際に子どもがよじ登れる物が置かれていないか?
□子どもが高い所で遊んでいないか?
□床に穴、溝、浮きや凹み、小さな段差はないか?
□床が滑りやすくなっている場所はないか?
□夜間に暗く見えにくい場所はないか?
□廊下や階段に物が置かれていないか?

(出所)「安全・安心なマンションのために」(平成31年3月国土交通省国土技術政策総合研究所)

浴室での子どもの溺水事故にも注意!

家庭内の子どもの事故は、転落や転倒だけではない。消費者庁は「家庭内での子どもの溺水事故」への注意を呼び掛けている。浴槽に落ちて溺水する事故も多く発生しているからだ。

消費者庁によると、「0~1歳の入浴中の溺水事故が多い」、「大人が少しの時間、目を離している隙に発生する事故が多い」、「わずかな水深でも事故が発生している」という。「目を離した隙」というのは、親が洗髪しているときや、子どもを残して浴室を出たときなど。親が入浴中に、子どもを抱いたまま寝てしまった事故もある。

ほかにも、子どもを浴槽のふたの上に乗せて、親が浴室を出たときに浴槽内に落下したり、浮き輪をつけて浴槽で遊ばせていたときに、子どもが回転して溺れたりという事例もあった。子どもは予想外の行動をすることもあるので、つねに注意しておく必要がある。

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