「ヒグマ駆除で銃の使用禁止」にハンター怒りの声 裁判中に被害が相次ぎ、死者は10人を超える

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自治体の要請でヒグマを駆除したのに猟銃所持許可を取り消されたハンターが、地元公安委員会を訴えた裁判についてご紹介します(写真:Freder/iStock)
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自治体の要請でヒグマを駆除したのに猟銃所持許可を取り消されたハンターが、地元公安委員会を訴えた裁判で、12月17日、札幌地裁(広瀬孝裁判長)はハンター側の訴えを認め、当初の処分を「著しく妥当性を欠き違法」とする判決を言い渡した。

原告の男性は「多くのハンターにとって朗報」と判決を高く評価し、「自治体や警察はこれを機に改めて話し合い、ヒグマなどの駆除要請についてよく考えてもらいたい」と呼びかけている。(ライター・小笠原淳)

目撃したのは小グマ、打つ必要はない

訴えを起こしたのは、北海道・砂川市のハンター池上治男さん(72)。

道猟友会の砂川支部長を務め、狩猟歴30年を超えるベテランだが、ここ3年ほどは銃を持つことができていない。地元・砂川市に請われて引き受けたヒグマの駆除行為が鳥獣保護法違反などに問われ、北海道公安委員会に猟銃所持許可を取り消されたためだ。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

きっかけとなった“事件”が起きたのは、2018年8月。砂川市郊外の住宅近くにヒグマが出たと通報があり、同市農政課が猟友会に出動を打診、支部長の池上さんを含む2人のハンターが現場に駈けつけた。

そこで問題のクマを目撃した池上さんは「撃つ必要はない」と提案する。地域を騒がせていたのが、体長80センチほどの子グマだったためだ。

「子どもが出たということは、近くに母グマがいるはず。いずれ母親のところに戻ると思うから『撃たなくていい』と言ったんです。われわれは普段からできる限り撃たないようにしているし、そもそもクマを撃ちたくてハンターになったわけじゃないですから」(池上さん)

だが、市の担当者はあくまで銃による駆除を要請した。地域では2、3日ほど連続して同じ個体とみられるクマが出没し、住民の不安が高まっていたところだった。現場に立ち会っていた砂川警察署(のちに滝川署に統合)の警察官もこの方針に異を唱えず、駆除を前提として周囲の人払いにあたり始めた。

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