「サンタなどいない!」相次ぐ教会サンタ批判の訳 司教が子どもに「親がウソをついている」と説教

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サンタというクリスマスの「魔術」から子どもたちを解き放つことは進歩であり、教会に座っていた7歳児たちもサンタの正体をよく知っていると62歳の司教は語る。つまり、子どもたちの夢を打ち砕いたわけではない、という立場だ。

言い伝えによれば、聖ニコラウスは子どもに優しく、3人の姉妹に金貨を与え、売春の危機から救ったとされる。

こうした言い伝えはその後、ヨーロッパの北に広がり、聖ニコラウスはオランダで「シンテルクラース」と呼ばれるようになった。そのオランダ人が当時のニューアムステルダム、つまり現在のニューヨークに入植し、シンテルクラースは後にイギリス領となった同地の英語話者によって「サンタクロース」へと英語化された。

トナカイ、そり、クリスマスイブのプレゼント、太鼓腹というサンタの姿は19世紀に付け加えられたイメージだ。赤いコートも同様で、コカコーラが宣伝に利用するようになるはるか以前から、サンタといえば赤いコートが定番になっていた。

ところが、サンタが炭酸飲料を売り歩くようになると、あらゆるものが堕落していった、とスタリアーノ司教は教会で子どもたちに説教した。

釈明に追われる教会、司教が伝えたかったこと

騒動の影響を最小限に食い止めようと、司教区の広報担当者アレッサンドロ・パオリーノ氏は司教区のフェイスブックページで次のように陳謝した。「子どもたちをがっかりさせた発言について、司教に代わり遺憾の意を表します。ただ、スタリアーノ司教の意図が誤解されている点ははっきりさせておきたい」。

その上でパオリーノ氏は、スタリアーノ司教の意図は「サンタという名の消費至上主義、すなわち買って、買って、買いまくり、所有する欲望」を非難する点にあったと釈明した。

スタリアーノ司教は、贈り物をすることすべてに反対しているわけではないが、プレゼントは思いを込めてしっかりと選び、手渡しすべきものだと言う。店頭になく、「アマゾンによって宅配された」ものだったとしても——。

(執筆:Jason Horowitz記者)
(C)2021 The New York Times Company

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