「サンタなどいない!」相次ぐ教会サンタ批判の訳 司教が子どもに「親がウソをついている」と説教

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カトリック教会の司教が「サンタ批判」をするのは、この時期恒例となり始めている(写真:Kiyoshi Ota/Bloomberg)

もうすぐ赤いローブを着た白ひげのおじいさんがプレゼントのたくさんつまった袋をかついで現れる。イタリア・シチリア島の学童のそんな浮き足だった気分をぶち壊しにしたのは、カトリック司教のクリスマスメッセージだった。

「サンタクロースは想像上の人物だ」。シチリア島ノート教区のアントニオ・スタリアーノ司教は、子どもたちを前に衝撃の説教を行った。

子どもたちがあっけにとられ、クリスマス気分も吹き飛ぶ中、サンティッシモ・サルヴァトーレ教会では司教がサンタを何分にもわたって批判し続けた。サンタは貧しい家庭を気にかけるような人物ではない、と司教は告げた。

司教は「サンタが着ている赤いコートは、コカ・コーラが宣伝目的で選んだものだ」と話し、あの炭酸飲料の巨大企業は「自社の健康イメージを上げるためにサンタを利用しているのだ」と子どもたちに言い聞かせた。

サンタを問題視するカトリック教会

イタリアで「バッボ・ナターレ」と呼ばれるサンタが司教から攻撃を加えられるのは、今回が初めてではない。聖職者によるサンタ批判はイタリアではクリスマスシーズンの新たな恒例と化している。ローマ・カトリック教会の聖職者は毎年のように、クリスマスがキリスト教の行事であり続けるためにはサンタを追放しなくてはならない、と訴えてきた。

2019年には、北部の町マリアーノ・アルピの司祭が子どもたちに向けて、赤い服を着て「魔法のように」プレゼントを届けてくれる男はいないと語っている。2018年には、サルデーニャ島のクアルトゥ・サンテレナという町で別の司祭が「サンタは君たちの親にほかならない」と暴露し、子どもたちを泣かせる波乱も起きている。

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