誰もが感じている「なんだかしんどい」の正体 鍼灸師が考えるあなたの「疲れ」の原因とは

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私たちは、なんでこんなに養い下手で休み下手なんだろう。これについては、おそらく仕方がないことです。だって、みんなおそらく今まで「休み方」「養い方」を教えてもらったことがないんですから。

小学生のころから、私たちは「頑張り方」はたくさん習ってきました。でも、その対となる「休み方」「養い方」を習う機会って、実はほとんどありません。これは、どうにもバランスが悪すぎる。だから、ただ真面目に生活をしているだけで、いつの間にかしんどくなってしまうのです。

頑張りすぎは命を削る

私たちは一度生まれたら、誰でもいつかは命が尽きて死んでしまいます。体は鍛えたら強くなりますが、命は鍛えても強くなりません。

『ゆるませ養生――“何だかしんどい”を楽にする「自分を大事にする作法」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

これ、よく考えたら当たり前のことなのですが、意外と見落としがちなことです。何が言いたいかというと、頑張りすぎれば、私たちの命は、それだけ早く燃え尽きてしまうということです。限界を越えた頑張りは、いわば「命の無駄づかい」。無駄づかいすればするほど、どんどん消耗してしんどくなってしまうのは、当たり前のことだと思いませんか。

今まで無意識にあなたをしんどくさせていた「頑張る」を少しずつ「養う(養生)」にシフトさせて、自分を大事にする作法を身につけていきませんか。難しいことは1つもありませんので、どうぞご安心ください。

ペンキを塗るときなんかに、周囲が汚れないように貼るシートのことを「養生シート」といいますね。あれには、「ものを保護する」という役割があります。そう、「養生」と同じことです。「養生」なんていうと、何だか難しくて高尚な感じがするかもしれませんが、養生シートと同じくらい、私たちの身近にある「ごく簡単な、ごく当たり前のこと」なんです。
その内容も、たとえば早寝早起き、手洗いうがい……のような、小さな子供でもできるようなことばかり。

肩透かしを食らったような気分になるかもしれませんが、そのごくごく簡単なことが積み重なって、あなたの体や人生を変えるほどの変化を生み出すのです。

たとえば、「体は疲れると固くなる」ということを知っていましたか? 筆者の専門の一つは「お灸」ですが、何ももぐさなど専門的な道具を使わずとも、身近にあるもの(蒸しタオルや浴槽、風呂おけなど)で体を温めて、疲れを取ることは、十分可能なんですよ。変化が実感できる目安は、およそ3カ月と言われています。3カ月後、あなたの体は大きく変わっているはずです。

すきさん 鍼灸師・お灸堂院長

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Suki-san

本名・鋤柄 誉啓(すきから たかあき)。1985年愛知県生まれ、京都府在住。明治国際医療大学にて鍼師、灸師の国家資格を取得後、2013年、お灸と養生の専門サロン「お灸堂」を京都で開院。独自のお灸の施術が評判を呼び、地元はもとより全国から来院者がやってくるように。現在は、自院で日々施術や健康相談にのる傍ら、「シンプル」「わかりやすい」「ユーモア」をモットーに、楽しく続けられるお灸や養生についてのコツを、毎日Twitterで発信中。テレビやラジオへの出演、雑誌コラムの執筆、お灸にまつわるプロダクトの企画・販売なども行っている。鍼灸専門学校やオンラインサロンで鍼灸師指導を行うなど、後進の育成にも力を入れている。

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