誰もが感じている「なんだかしんどい」の正体 鍼灸師が考えるあなたの「疲れ」の原因とは
ところが、現実はそうはいきません。私たちは何かというと「頑張る」が口グセになっているし、それを社会から期待されることが多いです。
筆者が見たところ、「なんだかしんどい」というお悩みを持つ人は、基本的にみなさん、「頑張り屋さん」。「頑張りグセ」が染みついている人って、本当に多いのです。もちろん、それ自体はとても素敵なことです。ただし、その人の負担になりすぎない「頑張り」でなくてはいけないと思います。
ちなみに「頑張る」というのは、書いて字のごとく「頑(かたく)なに張る」ということ。つまり、無意識のうちに私たちの体や心は固くなってしまうわけです。それを続けていると、心身の固さは増していき、いずれ体調のシーソーもバランスを乱したまま固まってしまうことでしょう。
筋肉だって、ゆるんだ状態から固くなるときに一番パワーが出るものです。ひるがえって私たちはどうでしょう。頑張り続けて固くなり、いざというときに本来の力が発揮できなくなってしまっては、何とも悲しいじゃあありませんか。
「頑張る」のまま固まってしまったシーソーの反対側に一刻も早く“何か”をのせて、バランスを取り戻さねばなりません。この「頑張る」の対になるのが「養う(養生)」ということ。現代人は「養う(養生)」が決定的に不足しているのです。
そもそも「養生」ってどういうこと?
「養う」つまり「養生」とは、自分を大事にしてあげる、ということ。でも、これがなかなか難しい。たとえば、あなたもこんな経験はありませんか?
・休日、一日中横になって、かえって疲れをためてしまう
・体力をつけようと筋トレやランニングに励んで、体を痛めてしまう
・気分転換のつもりで旅行に行ったが、むしろ疲れて帰ってきてしまう
・体にいいといわれる食べ物を食べても効果がよくわからないし、続かない
・そもそも、どこから手をつけていいかわからない ……etc.
よかれと思ってしたことで、かえって体を疲れさせてしまう(実際、今挙げた事柄は、体をむしろしんどくさせてしまうことがあります)。「養生」って、なんて難しいんだろうと思った方もいるかもしれません。
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