高学歴の親が「叱って伸ばす」で子どもを潰す必然 経験も自信もない「普通の子」に必要なこと
「叱ったほうが伸びる」のは上級者だけ
成長のためにはフィードバックが欠かせません。これは大人も子どもも共通です。子どもが宿題に取り組んでいるとき、テストの結果が返ってきたとき、さまざまな場面でフィードバックが必要になります。
では、子どもを伸ばすための「いいフィードバック」とはどのようなものでしょうか? いいフィードバックの条件についてはいろいろな角度から考える必要がありますが、ここでは間違えると子どもをツブす原因になってしまう要素についてお話しします。それは、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバック、つまり「褒める」と「叱る」をどう使い分けるかということです。
褒めたほうがいいのか、叱ったほうがいいのか、その使い分けの参考になるのが、モチベーションの研究家として有名なシカゴ大学のアイエレット・フィッシュバッハ博士たちの論文です(※)。この研究の対象は学生たちで、結果に対してのフィードバックを行うときに、「うまく問題を解けたときに褒める」のと、「ミスをしたときに叱る」のと、どちらの成績が伸びたかを調べています。
実験の結果は、自分を初心者だと思っている人たちは、褒める働きかけのほうが成績が伸び、自分のことを上級者だと思っている人たちは、叱る働きかけのほうが伸びたそうです。
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