現代を生きる私たちが「絶望」しやすい根本理由 「何かを成し遂げなければならない」という病

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佐渡島「絶望」を感じているときは、感情の波のピークとなる部分。この意識を持つだけで、大きく違ってくるよね。絶望が一生続くと思うと、感情もだらだら続くしそこから抜け出せなくなる。逆に「希望」は、ずっと持ち続けることができる。

その感情は瞬間的なピークがある波なのか、ゆるやかに長く続く波なのか。自分の中で感情の特性をどう捉えるかの取捨選択が重要だと思う。

ネガティブが多くても大元の部分ではポジティブ

石川:京セラ創業者・稲盛和夫さんの言葉、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」だね!

希望と絶望を行ったり来たりするのは、本当の意味でいいものを作り出すと思う。絶望って、ありとあらゆる悲観的な可能性を考えることだから。

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佐渡島:僕も善樹も、思考の量としてはわりとネガティブ思考が多い。でもネガティブ思考を客観的に捉えて、引っ張られないようにしているよね。その結果、ポジティブ思考もとがってくる。

石川:ネガティブから入っても、大元の部分では楽観的に捉えているのだと思う。

佐渡島:それはあるな〜! 基本的には「どうにかなる」とか「人はいずれ死ぬ」とか思っているし。もし人類が滅亡することになっても、「それが自然の理かな」なんて考えちゃいそう。

石川:何をしても最後はみんな、いないんだから(笑)。どれだけ素晴らしい作品を書いても、数千億年後にはきっと意味がなくなっている。だから羽賀君も、もっと安心していいんだよ?

羽賀:ですね……(笑)

佐渡島 庸平 コルク代表取締役社長CEO/ 編集者

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さどしま ようへい / Youhei Sadoshima

1979年生まれ。中学時代を南アフリカ共和国で過ごし、灘高校に進学。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社し、『週刊モーニング』編集部に所属。三田紀房『ドラゴン桜』を担当。小山宙哉『宇宙兄弟』のTVアニメ、映画実写化を実現する。伊坂幸太郎、平野啓一郎など小説も担当。2012年、講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社・株式会社コルクを創業。インターネット時代のエンターテインメントのあり方を模索し続けている。

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石川 善樹 予防医学研究者

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いしかわ よしき / Yoshiki Ishikawa

1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。(株)Campus for H共同創業者。「人がよりよく生きる(Well-being)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。 専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学など。

Twitter:@ishikun3

個人HP:yoshikiishikawa.com

 

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羽賀 翔一 漫画家

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はが しょういち / Shoichi Haga

コルクスタジオ所属。1986年生まれ。2010年、『インチキ君』で第27回MANGA OPEN奨励賞を受賞。『ケシゴムライフ』でデビュー。『漫画 君たちはどう生きるか』で一躍注目を浴びる。

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