池江璃花子の強い心を育てた「教育法の秘訣」 最後まで諦めない人に育てる「3つのポイント」

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1つめは、「自分を信じること」。

子どもの可能性は無限大です。子どもには、「引き出されることを待っている能力」がたくさん眠っています。才能のない子なんて、1人もいません。みんな素晴らしい才能をもって生まれてきていると思うのです。

親が子どもの可能性を信じて、子どものいちばんの味方になれば、子どもの「自信」につながります。将来、大人になって独り立ちしても、自分のいちばんの味方である「自分」を信じることができるようになります。さらには、人を信じ、みんなに愛される人になれると思うのです。

2つめは、「人間力を育てること」。

人間力といっても大それたことではありません。私の考える「人間力」は、やさしい心をもち、人から愛され、自分で考えて行動し、自分の言葉で発することができ、そして、努力しつづける力だと思います。

人間力というのは総合的な力です。これからの厳しい時代、困難に直面したり、挫折や失敗を味わったりしたとき、くじけず乗り越えていける「強さ」や「たくましさ」が、とくに大切になります。

3つめは、「本番力をつけること」。

これは、本番で、いつもどおりに、あるいはいつも以上に力を発揮できることです。せっかく能力があり、たくさんの練習をしても、いざというときにその力を発揮できないのは、とても悔しく、残念です。

この3つのことが土台となり、子どもたちを大きく成長させることにつながっていくと思っています。では、子どもたちがこれらを自分のものにするためには、どのようにすればよいのでしょうか。具体例を交えてお伝えします。

ポイント1:「あなたには無限の力がある」と言い続ける

まずは1つめの「自分を信じること」についてです。わが子は3人ともスイミングクラブに通っていたのですが、特別に高価な水着を何枚も買い与えたりはしませんでした。その代わり、たびたび子どもたちに声をかけてきました。

私の場合は、璃花子に「できるよ」「まだまだ力があるよ」と言い続けてきました。

たとえば、璃花子自身があるタイムを目標にしているときには、
「あなたならきっとそのタイムが出せるよ!」
「あなたにはまだまだ眠っている力があるから、きっとできる」と口にしていました。

客観的に見て、100%の達成はむずかしいかなと思う目標であっても、50%でも、たとえ1%でも、その目標に近づくことができれば、達成感は得られます。だから「そこに近づけるよ」「もっとやれるよ」というつもりで、「まだまだ眠っている力があるよ」などと励まし、やる気にエネルギーを与えてきました。

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