池江璃花子の強い心を育てた「教育法の秘訣」 最後まで諦めない人に育てる「3つのポイント」

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愛される、そして幸せという言葉は、どこか曖昧かもしれません。また、ありのままでいいのだと、誤解されてしまうかもしれません。しかし、愛されて幸せに生きるには、ときには我慢したり、相手を尊重したり、リーダーシップを執ることも求められます。そのときどきで、正しく判断し、正しく行動できるような子どもを、私は幼児教室で育てたいと思っています。

ポイント3:「本番力」の強い子に育てる

最後に、「本番力をつけること」についてです。わが子の子育てでも、教室でも、「本番力」を育てることは大きな柱の1つとなっています。教室のレッスンでは必ず、子どもたち一人ひとりに発表をする時間を設けています。0歳のときから全員の前で、みんなに注目されて、発表をするのです。

その内容は、お子さんによって異なります。たとえば、文集の暗唱だったり、歌を歌ったり、おうちで練習をしていることを発表してもらいます。0歳のお子さんなどは、名前を呼ばれて「はい!」と元気よくお返事できたら、それも立派な発表です。こうした発表の場があることは、子どもたちの能力開発に大きくつながります。発表があるから練習しよう、がんばろうという目標ができるのです。また、物心つかないうちから人前で発表することが、「プレッシャー」から「ほめられてうれしい」という体験になります。

璃花子もそうです。幼いころから発表の場をもたせてきたので、練習より大会、しかも大きな大会が大好きで、実力を爆発させています。

本番でこの火事場の馬鹿力ともいえる力を発揮するには、その方法を体得しておくことも大切です。おうちで練習したことを教室で発表するのは、じつは、潜在意識にため込んだ馬鹿力を発揮する体験でもあるのです。言い換えるなら、火事場の馬鹿力を発揮するためのスイッチをつくり、押し方を身につける練習とでもいえるでしょうか。

『あきらめない「強い心」をもつために』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

押し方が身についていれば、このスイッチは、ここぞというときに本人の意志で働きます。体には、自身を守るためのリミッターがついていて、ふだんは火事場の馬鹿力が出ないようになっています。しかし、自分がコントロールできるスイッチを持ち、いざというときにそれを押して火事場の馬鹿力が出せるようになっていれば、「本番力」が強い人になれるということです。

3人のわが子と教室の子どもたちに、私なりに伝えてきた、「どんなことがあっても、最後まであきらめないで努力する人になる」。今回は、そのために大切な3つのことについてお伝えしました。

当たり前のことですが、親や大人は、いつまでも子どもの面倒を見ることはできません。子どもはいずれ大人になり、自分で考えて自分の道を選び、歩んでいかなければなりません。

自分で思い描いた人生を、幸せに生き抜いてほしい。選んだ道で転ぶことがあっても、それによって学ぶこともあるかもしれない。大切なのは、自分の力で立ち上がり、再び歩みだす、そんな人になるための力をつけることだと思います。私の経験が、子育てに悩む親御さん方の気持ちを少しでも軽くできるのなら、これ以上うれしいことはありません。

池江 美由紀 EQWELチャイルドアカデミー本八幡教室代表、東京経営短期大学こども教育学科特別講師

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いけえ みゆき / Miyuki Ikee

3人(長女、長男、次女)の子育てをしながら、幼児教室の講師兼経営者を務める。次女が小学校に上がるころに離婚し、ひとり親で3人を育てる。1995年、子どものための能力開発教室を開校。約30年間、子どもたちの指導に携わってきた。現在も講師として教室のクラスを受けもち、子どもの才能を引き出し、本番力、人間力、何があってもあきらめない強い心を育む指導をしている。同時に、教室に通う子どもの親の子育て相談や指導を数多く行う。また、長年の経験に基づいた講演活動も行う。東京経営短期大学こども教育学科特別講師。次女は競泳の池江璃花子選手。初の著書に『あきらめない「強い心」をもつために』(アスコム刊)がある。

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