後発医薬品レースで二極分化する調剤薬局


 柿の木坂店では、後発医薬品の調剤を増やすために懸命の努力を続けている。本社が推奨するリストに載っていない品目についても独自の判断で品ぞろえを行う一方、店内のポスターを増やしたり、患者が調剤を待っている時間に後発医薬品の説明をしておくなど、時間の有効活用にも知恵を絞っている。

しかし、国がハードルに設定した数量シェア20%になかなか届かない。4月時点で加算取得の前提となる直近3カ月平均(1~3月)の実績は18%強にとどまった。4月は19・8%、5月も18・9%と及ばなかった。6月には20%を超えたものの、7月は再び低下し、同月中旬時点で18%台にとどまっている。

また「相次ぐ欠品も頭痛の種になっている」(安中すみよ・柿の木坂店管理薬剤師)。同店では4月以降、すでに10回もの後発医薬品の欠品(在庫切れ)が起きている。「欠品が起こると、新たに届くまでに1~2週間かかる。中には10月までかかると言われたケースもある」(安中氏)。背後には、需要急増に後発医薬品メーカーの生産が追いつかないという事情がある。

零細薬局は消極的 在庫負担増で二の足

加算取得を断念し、“自然体”に戻った調剤薬局もある。東京都心部のオフィスビル内に店舗を構える薬局は、3月末までは店内のあちこちに、「ジェネリック医薬品を希望する方はお申し出下さい」と書かれたポスターを貼っていた。ところが店舗の改装を機に掲示を取りやめ、現在は隅にチラシが置いてある程度だ。取材に応じた薬局長が語る。

「3月末までは加算(4点)を取っていたが、今は取れていない。患者さんに尋ねられたら説明をするが、積極的な対応はしていない」

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