後発医薬品レースで二極分化する調剤薬局

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特許が切れた新薬(先発医薬品)と同じ有効成分で、同等の効き目を持つジェネリック医薬品(後発医薬品)。薬価が先発医薬品の7割から2割程度と安価なことから、後発医薬品は医療費抑制や患者負担軽減の有効な方策として注目を集めている(1日当たり薬価の比較は3ページ下段表)。厚生労働省は2012年度までに、数量ベースで30%へ引き上げる目標を掲げている。

そこで今年4月、後発医薬品の新たな普及促進策を打ち出した。狙いを定めたのが、全国に約5万5000ある調剤薬局だ。「医療機関の中で、調剤薬局は後発医薬品普及への取り組みが最も遅れていた」と、磯部総一郎・厚生労働省保険局医療課薬剤管理官は指摘する。

厚労省は後発医薬品の調剤を促進するため、加算制度を大幅に変更した。4月の診療報酬改定の一環として実施された薬局に関する調剤報酬改定に際し、薬局が一律に受け取れる調剤基本料(=40点、1点10円)に上乗せされる「後発医薬品調剤体制加算」を抜本的に改変。数量ベースで後発医薬品の使用割合が30%以上の調剤薬局の場合、処方箋の受け付け1回について、17点(170円)が調剤基本料に加算されることになった。同様に25%以上30%未満の場合は13点(130円)、20%以上25%未満の場合は6点(60円)に改められた。

従来は、後発医薬品が1品目でも含まれる処方箋が、全処方箋枚数の30%以上を占めている場合に、処方箋1枚につき4点(40円)が調剤基本料に加算されていた。ハードルが低かったため、8割以上の薬局が同加算を取得できていた。

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