1万個売り上げた「ご当地レトルトカレー」の正体 冷たいままおいしく食べられる「消防カレー」
現在、道の駅以外に消防カレーを購入できるのは、幸田町内の飲食店の一部とギフトショップ。飲食店は幸田町商工会の会員企業で、当初は売れるわけがないと思い込んでいた春日井さんが頼み込んで置かせてもらったとか。しかし、ある店では現在、1カ月に60〜90個も売れているというからスゴイ。また、ギフトショップでは消防カレーの通販も行っており、売れ行きも上々だという。
町内の飲食店もアレンジメニューを展開
今年10月、消防カレーを扱う町内の飲食店が消防カレーをアレンジしたメニューの販売を開始した。消防カレーで煮込んだ夢やまびこ豚の角煮をサンドしたバーガーやカレーピザ風のお好み焼きなど多種多様。
その中の1つ、『こうたのらーめん屋さん』を訪ねた。ここで提供されているのは、店で人気の麻婆飯と天津飯、唐揚げ、揚げ餃子が同時に食べられる「ファイヤー!SOSライス」(1320円)。
「麻婆ソースに消防カレーを加えて、長崎のトルコライスをイメージして遊び半分で作りました。唐揚げもゲンコツほどの大きさくらいあるし、ご飯だけでも350グラムもあるので、絶対に売れないと思ったんです。ところが予想に反して、多いときで1日20食出ることもあります。こんなことなら、もう少し値段を上げておけばよかったと後悔しています(笑)」と、店主の石部龍浩さん。
消防カレーを求めて、多くの人々が幸田町に足を運んでいるだけではなく、カレーメーカーをはじめ、唐揚げや宅配ピザのチェーン店などからコラボ商品開発のオファーが数多く寄せられているという。が、消防カレーは利益ではなく、町と消防団のPRを目的としているためすべて断っている。利益を追求するのであれば、こんなにオイシイ話はない。
一方、まだまだクリアせねばならない課題もある。幸田町消防本部の新實さんは
「ありがたいことに、全国の消防署から消防カレーの問い合わせをいただいています。が、消防団に入団を希望される方は年々減少しているのが現実です。今後は、消防団一日体験イベントなどで参加者に消防カレーを記念品として配布するなど、消防カレーを消防団の活動を盛り上げるツールとして活用していきたい」と、語った。
消防カレーによる町おこしが成功を収めたのは、行政と町内の事業者がしっかりとタッグを組み、情熱を持って取り組んだからにほかならない。消防団員の不足も解決する道があると信じたい。
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