意外と簡単にできる「家のDIY」素人が始めるコツ 日曜大工とは違う手軽さやデザイン性が魅力

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今人気の壁紙は、輸入ものの「ウイリアム・モリス」の柄やゴッホ美術館とオランダの壁紙メーカー「BN」がコラボした、「ゴッホ」の絵画をモチーフにした柄だそうだ。たしかに、一般的にはあまり見られないものだ。

上がウイリアム・モリス柄(MORRIS & Co. STRAWBERRY THIEF 212565/1m 1645円(税込))、下がゴッホ柄(BN VAN GOGH MUSEUM 17140/1m 2024円(税込))(筆者撮影)

ワークショップでのDIY体験をきっかけに

同店では「ワークショップ」を頻繁に開催している。「パネルに壁紙を貼る」「スツールに壁紙を貼る」「木製フレームにペイントする」などのワークショップが開かれているが、すぐに埋まってしまうことも多いという。パネルやフレームなど小さなものに貼ったり塗ったりする体験から始めて、自分の部屋へとステップアップしていく。そうすることで、DIYを手軽に感じさせることにつながっている。

ただし、DIYには注意点もある。構造体にかかわるため、物件によって「手を付けてはいけない場所」もある。どの場所にどこまでならできるかを、きちんと見極める必要があるので、専門家の助言が欠かせない。わからないことや不安なことを質問できたり、相談に応えてくれたりする場があることも、DIYの普及につながっている。

同店は手軽さやおしゃれな柄の多さから、DIYをする女性に人気だが、各地のホームセンターでもDIYの道具や商品を豊富にそろえている。ホームセンターの中には、DIYアドバイザーなどの専門スタッフを配置したり、工具のレンタルをしたりをしているところもある。壁の塗装やシート貼りなど手軽なDIYに加え、いわゆる「日曜大工」のような電動工具を使って木を組み立てたりすることまで幅広く対応できるのが、ホームセンターの特徴だ。

ホームセンターに加えて同店のようなショップの登場により、一般の人が取り扱いやすい商品が多様にそろい、DIYのノウハウを提供する場ができたことなどで、DIYは広く浸透してきた。これからは、住みながら自宅に手を入れる家庭が増えるかもしれない。日本の住宅の住み方も、少しずつ変わっていくのだろう。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

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やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

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