デング熱、「代々木公園」だけでは終わらない 9~10月、「秋の都会」の蚊が危ない!

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デング熱にはワクチンがなく、治療は解熱剤などの対症療法に限られる。

「ただ、感染によって血小板の数が減っているので、アスピリンを含む解熱薬は飲んではいけない。体が止血する働きを妨げるとされるからです」(水野さん)

現状、国内感染者は容体が安定している。ただ、感染症を専門とする医療機関は都内でも少ない。都は今後、都内病院に検査キットを配備する方針だ。

旅行など海外でデングウイルスに感染して帰国する輸入感染者は、99年(9人)、2000年(18人)、01年(50人)と、50人前後で推移していたが、10年(244人)、11年(113人)、12年(220人)、13年(249人)と、急増している。20年に東京オリンピック・パラリンピックが行われるのは、7月末から9月上旬。まさに、この時期に各国から人を迎えるのだ。

「地道な感染症対策も、立派なおもてなしの一環だと考えるべきでしょう」(高崎さん)

最後に、ヒトスジシマカは、人だけでなく温血動物全般を好む。代々木公園にはドッグランがあり、犬の散歩も多い。

高崎先生、犬や猫などペットにも感染するんでしょうか?

「大丈夫です。犬や猫には感染しません」

(編集部・井上和典、宮下直之)

ヒトスジシマカの生態と日本におけるデング熱
●ヒトスジシマカは「待ち伏せ型」。普段は低木や草むらなどに潜み、50センチ程度の距離まで近づくと襲いかかる
●孵化後、成虫の期間は14~40日間。この間に、吸血するのは4回程度とされる
●気温が高くなると、一生の間に吸血する回数が増えるという研究も。温暖化が進めば生息域も北上し、感染リスクは高まる
●ヒトスジシマカは、デングウイルスのほかに、ウエストナイル熱やチクングニヤ熱の原因ウイルスも媒介する
●1940年代には、西日本で国内感染が相次いだ

※AERA 2014年9月15日号

 

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