DCIで測った「都道府県別デジタル度ランキング」 2021年には地方で進展し、地域間格差が縮小

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縮小

2021年は首位の東京都のDCIが微減したのと同時に、DCIの低かった地方部のスコアが大きく上昇した。その結果、日本全体でみると地域間のデジタル格差は縮小したことになる。

デジタル度の格差縮小に貢献した最大の要因はデジタル公共サービスだ。2020年から2021年にかけてのスコアの変化を要素別にみると、ネット利用のスコアは変化なし、コネクティビティーと人的資本はそれぞれスコアが1.4ポイント、1.8ポイント上昇し、そしてデジタル公共サービスはスコアが3.3ポイント伸びている。

デジタル公共サービスが上昇した要因をみると、マイナンバーカードの取得・利用率が高まったこと、またオンラインの公共サービス利用比率がこの1年間でも高まり続けたことがあるのだが、特に地方部で大きな進展が起こっている。たとえばマイナンバーカードの取得率でいうと、2020年7月から2021年7月にかけて、富山県では15%から34%へ、福井県では13%から32%へと倍以上に増加している(いずれもNRI実施の「日常生活に関する調査」結果より)。

e-Taxによる納税も増えた

また、「国・自治体が提供するオンラインサービスを利用したことがある」と回答した人の比率が、宮崎県では38%から53%へ、島根県では38%から52%へとこの1年間で過半数を超える状況となるなど(同上)、地方部における進展が目覚ましい。

コロナ禍という苦境の中で、国内の地域間デジタル格差が縮まったということはある意味では朗報である。デジタル公共サービスは、コロナ禍が完全に収束した後でも、市民サービスの利便性向上と、行政サービスの効率性向上に引き続き寄与するだろう。たとえばe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用率は、コロナ禍によって多くの県で増加している。

NRI「日常生活に関する調査」によると、たとえば青森県でe-Taxを利用している人の比率は、2020年7月時点で7%だったのが2021年7月には14%まで増加した。2021年に初めてe-Taxを利用したという人も多いはずだが、コロナ禍が完全収束してもe-Taxを利用し続ける人はかなり多いのではないだろうか。e-Taxの利用増加は税務の効率化にも寄与する。

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