また、スタグフレーションとは、1970年代のように、景気が過熱気味な中で、金融緩和や財政政策で経済を刺激し過ぎた結果、起きることだ。インフレ率の加速で、人々が抱く将来のインフレ予想が不安定になったり、インフレ加速を抑制するため、強烈な金融引き締めを行うことによって、経済が停滞する結果、起きることである。
脱デフレと経済正常化で、アベノミクスは復活する
今の日本においては、消費増税で表面上のインフレ率がかさ上げされているが、2%の物価安定目標実現の道半ばの状況であり、経済が過熱してインフレ加速が起きるような状況ではない。過去スタグフレーションが起きた時とは全く異なる。
つまり、増税がもたらした統計であらわれる表面上の、成長率減速+インフレ率上昇、をスタグフレーションと表現するのは適切ではない。アベノミクスについてのこうした批判的な見方には、「金融政策によって、景気回復が実現することを否定したい」という、歪んだ深層心理が背景にあるのだろう。
このスタグフレーションという批判が妥当ではないとしても、消費増税を先行させたことで、アベノミクスのけん引役だった個人消費が失速し、さらに夏場の個人消費もかなり鈍くなったことは事実である。
景気回復が止まり、アベノミクスの成功も怪しくなる。こうした経済状況を踏まえれば、アベノミクスの原点である、脱デフレと経済正常化を目指す政策を採用することが妥当になる。2015年の消費増税の先送りが、そうした意味で妥当な政策対応になるだろうし、新たな布陣となった安倍内閣でそれが実現すれば、アベノミクスは復活するだろう。
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