ゼロからわかる変異株の大物「オミクロン」の正体 感染症未来疫学センターの水谷哲也教授に聞く

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とはいえ、中和抗体がまったく効かなくなるということはないだろう。中和抗体は、スパイクタンパク質上にある複数のアミノ酸を認識して結合している。そのため、いくつかのアミノ酸が変異したとしても、中和抗体はほかの部分でウイルスを認識して感染を抑えられる。程度はわからないが、くっつき方が悪くなるようなイメージだ。

新たな変異株の影響で自粛モードに逆戻りするのか。写真は2020年5月(撮影:今井康一)

――今後、主流になったデルタ株に代わって世界中に広まっていくのでしょうか?

繰り返しになるが、本当に感染しやすくなっているかどうかは起きている変異を一つ一つ見るだけではわからないので、結論が出るのは時間がかかる。

ラムダ株やミュー株も、変異している場所を見て厄介なウイルスなのではないかと思ってはいた。それでも、先んじて流行していたデルタ株に代わる主流にならなかった。

かなりの警戒が必要

変異によってズバ抜けて感染しやすくなるとか、より効率的に体内でウイルスを複製できるようになるとか、そういうことがない限り簡単には世界中で感染の主流になることはない。

だが実際にデルタ株の感染が減る一方でオミクロン株が増えていくのであれば、未知な部分が多いだけにかなりの警戒が必要だ。

デルタ株の流行が続いているアメリカではデルタ株とオミクロン株のせめぎ合いが起きる。一方、今、日本にはほとんど感染者がいない。そこにポンッと入ってくれば、一気にオミクロン株が主流になって広がる可能性もある。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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