通販「冷凍チーズケーキ」が超売れているワケ 3分で700箱、1週間で3カ月先までの予約分完売

拡大
縮小
スイーツのヒットメーカー、長沼氏が手がけるCHEESE WONDER(左)とヌクメル。前者は“最高の素材”にこだわったチーズケーキ。後者は“ネット通販+冷凍”という手法を活用し、焼き上がったばかりのおいしさを追求した。温め時間を調整することで、食感に違いが出る(撮影:今井康一)
この記事の画像を見る(4枚)

このところのスイーツのトレンドとして挙げられるのが、「冷凍」である。

消費期限の長さや、保存料などが少なくて済むこと、フレッシュさなど、冷凍食品のメリットに消費者が注目し、すでにブームの兆しがあったところ、世の中がコロナ禍に突入。さまざまな理由で家庭用の冷凍食品市場が大きく伸長した。

そうした社会状況を背景に、冷凍に通販を組み合わせたスイーツブランドが群雄割拠している。また、①冷凍のまま、②半解凍で、③手を加えてといった、食べ方の違いで味わいのバリエーションを増やすという、冷凍食品の特徴を活かした商品展開を行っているのも興味深い。

買い置きしておきいつでも好きなときに、手間をかけずに食べられるという、消費者にとっての利便性も魅力だ。ローソンやセブンイレブンが販売して話題となった、「カッサータ」人気の理由でもあるだろう。

そんな中、この冷凍+通販のカテゴリで新たなスイーツが誕生した。

電子レンジで温めることで完成させるチーズケーキ

2021年10月4日から販売開始された「Nukmel(ヌクメル)」だ。これは、自ら電子レンジで温めることで完成させるチーズケーキ。焼き上がったばかりのチーズケーキの味わいを求めて開発されたものだという。

本商品の注目ポイントは、ブランドの仕掛け人、長沼真太郎氏である。同氏はチーズタルトの「BAKE」創業者であり、2021年2月にスタートした、なかなか予約できないスイーツ「CHEESE WONDER」などを手掛けてきた、スイーツのヒットメーカーだ。

同氏は2020年に、放牧事業と洋菓子の企画・生産を行う農業生産法人、ユートピアアグリカルチャーを立ち上げ。「放牧による乳卵製品・お菓子の製造販売を通じ、人・動物・地球環境に負荷の少ない持続可能なビジネスを実現する」ことを目的に、北海道大学と提携しながら実証実験を進めている。

実はCHEESE WONDERも、解凍の度合いによって味の変化が楽しめるスイーツ。冷凍庫から出したばかりならアイスケーキ感覚で食べられ、時間を置くほどにムースがとろけてやわらかくなる。チーズの芳醇な香りに、かためで香ばしいクッキーがアクセントを添える。6個入り2980円(撮影:今井康一)

CHEESE WONDERは同社の手がけるスイーツ第1号として発売されたもの。「どこよりもフレッシュなお菓子、どこよりも手間をかける、どこよりも良い原材料を使う」という、長沼氏が提唱する“お菓子の三原則”に基づいて作られているのだが、とくに原材料に関して、乳牛の放牧、鶏の平飼いといったところからこだわった、最高のチーズケーキだという。手作業で製造しているため数量が限られ、毎週金・土曜日の午後8時に販売開始されるが、約700箱が3分ほどで売り切れてしまうほどの人気商品だ。

2021年9月から予約販売を開始するも、1週間ほどで3カ月先まで予約分が完売。現在でも半年先まで予約購入分が完売している。

次ページ「ヌクメル」とは?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT