「上司への報告方法」でわかる一流になる人の思考 重要なのは「主人公は自分である」という視点

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この件に限らず、目的と手段が入れ替わる、というのはよくあること。どのプロジェクトでも日々色んなことが起こるわけで、その中ではどうしても「売り上げが」「バグが」など、今直面している課題に目が向きがちだからです。

もちろん、目先の問題も解決しなければなりませんが、チーム全員がそこしか見ていないとプロジェクトは迷走してしまう。だからこそ、「そもそもの目的は何だったっけ?」と都度、本題に立ち返ることが必要。それを指摘することも僕の仕事だと思っています。

僕はどんな仕事でもまず、そのプロジェクトが目指す「目的」や「ゴール」を理解しようとします。

マラソンやドライブでも、目的地がわからないまま闇雲に進んでも、ゴールにはたどり着けませんよね。考えてもわからない時は先輩や上司に聞くなりして、自分の仕事の目的を明確にしておきましょう。

意味のない仕事なんか1つもない

根幹を初めに理解しておくと、プロジェクトの全体像が見える。すると、目先の問題や手段といった枝葉の部分に左右されることなく、目的に沿った仕事ができるようになります。

もしかしたら、「今、自分がやっている仕事って何の意味があるんだろう?」と思っている方もいるかもしれません。でも、どんな業界、職種であっても、意味のない仕事なんか1つもありません。

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今日あなたが作った資料が使われた会議では、未来の大ヒットコンテンツを作るための議論がなされているかもしれない。あなたが入力した大量のデータからは、プロジェクトを成功に導くヒントが見つかるかもしれない。

あるいは、あなたが聞いたそのクレームが、ユーザーを満足させるサービスの構築につながるかもしれない。

その先にある「目的」や「お客様の顔」が想像できれば、今担当している仕事にも意味が見出せるようになるはず。

「自分の仕事は小さいけれど、○○という目的を達成するためにあるんだ」と思えれば、作業に対する姿勢も変わりますよね。「目的がこれなら、資料やデータはこういう作り方をしたほうがいいな」などの工夫も生まれるでしょう。

これこそが「自分事化」。一流のプレイヤーになる第一歩です。

(構成:渡辺絵里奈)

坂上 陽三 「アイドルマスター」シリーズ総合プロデューサー

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さかがみ ようぞう / Yozo Sakagami

1967年生まれ。兵庫県出身。人気育成シミュレーションゲーム『アイドルマスター(通称:アイマス)』シリーズ総合プロデューサー。「ガミP」の愛称で知られる。大阪芸術大学卒業後、映像プロダクションに入社。1991年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)に入社し、ビジュアルデザイナー、プロデューサーなどを歴任。アーケードゲームから始まった『アイマス』を、家庭用ゲームやスマホゲーム、アニメ、ライブなど幅広く展開し、成長させた立役者。

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