自由が丘も変わる「東横沿線」建設ラッシュのなぜ 大規模開発が少ないエリアに何が起きている?

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「2017年に分譲されたディアナガーデン自由が丘の坪単価も高単価でしたが、2020年5月に着工したザ・パークハウス自由が丘ディアナガーデンはそれ以上の価格設定だったように聞いています。それでも販売から間もなく完売しています」とケン・コーポレーション自由が丘支店の大場修平氏は話す。

この物件を検討していた知人に聞いたところ、坪単価は専有面積にもよるが600万~700万円とこれまでの自由が丘の相場を超えたレベル。40戸を超す全戸が1億円オーバーだったそうで、最も高い部屋は3億円以上だったとか。もともとは緑に囲まれたお屋敷のあった高台で、この土地に残された希少な緑として地元からの注目度は高かったという。

ただ、これらの物件は駅から6分、9分という立地で、現在進められているプロジェクトはいずれも駅からの距離だけでみればかなり有利。あとはどのようなプランが、いくらで出てくるかだろう。自由が丘のマンションはいずれも築年数の経っているものが多いため、これらが成功すれば続く物件もあり得るかもしれない。住宅事情転換のカギとしても動向が気になる。

自由が丘では地元の日常に欠かせないスーパー、大丸ピーコックの建替えも始まっている。規模、用途その他が大きく変わるわけではないとされているものの、街の見た目が大きく変わることは間違いない。

中目黒は手付かずだった北側に変化の兆し

【中目黒】駅北側、線路脇で再開発計画

前述したとおり、中目黒では駅南側の山手通りを挟む両側でそれぞれに市街地再開発事業が終わっているが、線路を挟んだ北側は手つかず状態が続いていた。老朽化した低層建物も多く、防災面を考えると狭隘道路の整備も必要と地元では課題とされてきた。

最後のタワマン開発が12年前にさかのぼる中目黒でも再開発の計画が持ち上がっている(筆者撮影)

その結果、2020年12月には中目黒駅前北地区市街地再開発準備組合が設立され、丸紅都市開発株式会社、東急株式会社が事業協力者に決定もしている。詳細はこれからだが、背後の目黒川沿いは当該地域同様のエリアでもあり、今後の変化は必須。駅前の開発が刺激となり、街全体の安全性が向上する可能性が高い。

中目黒では山手通りと駒沢通りが交差する角にある11階建て、総床面積42000㎡ほどのみずほ銀行中目黒センター(旧富士銀行事務センター)の建物も解体が始まっている。建替えとのことだが、建て替え後の計画については現時点では掲示はなく不明だ。

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