開戦の日に読みたい「戦時下東京の絶望的な日常」 驚愕!「80年近く前の日記が今の日本と酷似」
平和はわずかなきっかけで崩れる
今日12月8日は80年目の開戦記念日である。80年前のこの日、日本海軍はハワイ真珠湾のアメリカ太平洋艦隊基地を攻撃し、日本陸軍がマレー半島に上陸した。海軍は真珠湾で戦艦アリゾナほかを沈め、12月10日にはマレー沖でイギリス東洋艦隊の戦艦プリンス・オブ・ウェールズほかを撃沈、陸軍はシンガポールを目指し進撃を続けた。緒戦の戦果で日本中が沸き返った。
開戦から80年が過ぎ、戦争は悪くないということだろうか、日本は再び徐々に戦争へ近づこうとしているように見える。しかも多くの日本人にそうした自覚がない。
たしかに日本は戦後76年間戦争をしていない。だが元寇以来600年近く外国と戦争のなかった日本は、明治維新から昭和20年の敗戦まで日清戦争、日露戦争、第1次世界大戦、日中戦争、第2次世界大戦と大きな戦争を何度も行った。
江戸時代、外国との戦争がないことは当たり前の日常だったが、明治以降は様変わりした。「当たり前の日常」は脆い。ウイルスひとつで「当たり前の日常」は簡単に姿を消す。平和も同様である。
平和はわずかなきっかけで崩れる。その兆しはすでにいくつも現われている。外交評論家、清沢洌が戦時中に書き続けていた『暗黒日記』には、現代の日本社会と相似形を成すエピソードが随所に現われている。これらの記述を読むにつけ、今日の平和の危うさを感ぜずにはいられない。
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