シャンシャン中国行き12月期限、結局いつ見納め? 「入国制限・成都直行便は運休」先行き不透明

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中国で生まれ、神戸市立王子動物園で暮らすタンタン(旦旦)もコロナ禍で中国返還が延長されている。タンタンは2020年7月15日を期限に日本を離れる予定だった。高齢パンダをケアする設備が整った四川省・都江堰の施設で余生を過ごすほうが良いという中国側の判断だ。

タンタンは26歳で、人間なら70歳代後半の高齢。しかも心臓疾患が2021年に判明した。そのためタンタンの長距離移動を案じて、中国返還延長を切望するファンが多い。

大阪にある中国総領事館の薛剣(せつ・けん)総領事は11月4日に王子動物園を訪れ、タンタンの好物のリンゴと柿をたくさんプレゼントした。熨斗(のし)には「タンタンが神戸で幸せに暮らすように!」と手書きされている。薛総領事といえば、アメリカに対する歯に衣着せぬ物言いや、過激なツイート内容が10月下旬にNHKなどに報じられた。

一方で、タンタンのことは「病気を患っていると聞いて心配していたが、チームタンタンとタンタンファンの皆さんの暖かい愛情に包まれる中、元気そうなお姿が見られて、ホットした」(原文ママ)と11月5日にツイッターに投稿。続けて「是非、皆さんと一緒に、タンタンにスムーズな里帰りを実現させてあげたい」と述べた。

検疫が始まればシャンシャンは終日室内

都が2020年末のシャンシャンの返還期限延長を公表したのは同年12月11日。期限まで約3週間に迫った時だった。今後、2021年末の期限が延長される場合は新たな期限が、延長されない場合は返還日と観覧終了日が公表される。都は、中国側などとの調整が終われば、できるだけ早く結果を公表する方針だ。

日本から中国へパンダを運ぶ場合、健康チェックや感染症予防のために検疫する。日本の家畜伝染病予防法でパンダは検疫対象になっておらず、中国から求められた条件に合わせて検疫し輸出することになる。その条件(検疫期間など)は、相手国や時期で変わる場合がある。

筆者がシャンシャンの検疫期間を農林水産省に尋ねたところ、2020年11月末時点で「30日間」だった。だが、1年経った2021年11月17日時点では「今回はどのような条件か、実際に輸出されるかどうかも含め、こちらには何も情報が来ていない状況です」とのことだ。

検疫は、シャンシャンを室内に「隔離」して行う。もしシャンシャンが年末までに中国へ行き、検疫が30日間ならば、外で観覧できる期間はあと1週間ほどしかない。

中川 美帆 パンダジャーナリスト

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なかがわ みほ / Miho Nakagawa

福岡県生まれ、早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(11カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)

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