シャンシャン中国行き12月期限、結局いつ見納め? 「入国制限・成都直行便は運休」先行き不透明
雌のジャイアントパンダのシャンシャン(香香)が中国へ行く期限の2021年末まで1カ月ほどに迫った。
パンダの保護研究で協力する東京都と中国野生動物保護協会(CWCA)の取り決めで、シャンシャンの所有権は中国にあり、「満24カ月齢時」に返還するとしていた。
「24カ月齢」は2019年6月だが、シャンシャンの日本滞在を望む声が強く、都とCWCAが協議して、返還期限を2020年12月31日に設定。上野動物園は同年10月から「Thank youシャンシャン」と題した数々の記念商品を販売した。
だが返還期限は2021年5月31日、2021年12月31日と延長を重ねた。理由は、新型コロナウイルス禍による中国の入国制限。日本に限らず、中国国外から中国の飼育施設へパンダを運ぶ場合、それまでパンダを飼育していた中国国外の施設の飼育員や獣医師がずっと同行するのが一般的だ。中国入国時にホテルへ隔離されると、それができない。
果たして、返還期限は再び延長されるのだろうか。
シャンシャンは「もう4歳」
東京都建設局公園緑地部の中田英壽動物園計画担当課長は「中国側と相談しながら、返還に向けて、いろいろなところと調整を進めています。シャンシャンはもう4歳ですし。もともと返還するという約束で繁殖研究をしています。それが将来、パンダの種が増えることにつながると思うので、寄与していきます」と話す。
シャンシャンは2021年6月12日に4歳になった。パンダが繁殖できる「性成熟」の年齢は、個体差もあるが雌が4歳前後、雄が7歳前後とされる。繁殖活動に入る前に、中国の新居に慣れる期間も必要だ。
パンダは暑さが苦手なので、気温の面でも12月は渡航に適している。中国が、感染を完全に抑え込もうとする「ゼロコロナ」政策から「ウィズコロナ」政策へ転換する動きも渡航を後押しするかもしれない。
中国メディアの10月中旬の報道によると、中国疾病対策センターのトップ、高福氏は「中国のワクチン接種率が2022年初めまでに人口の85%以上になれば、国境を開く可能性があります」と述べた。現在の接種率は約75%とみられる。
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