従来の仮想通貨ブームと「NFT」の決定的な違い 出版業界やアーティストも参入するNFTの特徴

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日本では豊富なコンテンツを保有するIPホルダーが続々とNFTへの参入を表明しています。ゲーム事業者のカプコンやスクウェア・エニックス、セガ、バンダイナムコらが自社IPを利用したNFTの販売を発表しました。

出版業界では、メディアドゥとトーハンが雑誌や書籍とセットで提供する付録としてアイドルの写真などをNFT化し、リアルな書籍のマーケティングにデジタルなNFTを組み合わせています。

音楽業界では、著名アーティストの取り組みのほかにも、さまざまなアーティストが楽曲とアートワークを組み合わせた限定作品のNFTをファンに直接販売できる「次世代の音楽レーベル」のようなNFTサービスが誕生しています。

このように、デジタル表現の魅力や流通性を利用してアナログコンテンツの再発明を図るものや、アナログの専売特許だったリアリティや実利を伴う体験をデジタルの世界で再現するものなど、双方の穴を補うように長所をかけ合わせたユースケースが誕生しています。

NFTブームが起こった背景にあるもの

実際のところNFTブームの原動力の1つは、2020年にPayPalの参入などをきっかけに増加した暗号資産投資家が「利便性」や「価値の実感」を求めた結果、多額の資金がNFTに流れ込んだことにあります。

もう1つの原動力は、さまざまな業界がコロナ禍の影響を受け、現実の顧客接点の喪失や流通逼迫によるコスト増大などの事情から、既存のアナログな商流をデジタル化する必要に迫られたことです。そのため、アナログに近い取り扱いが可能なデジタルデータとしてのNFTの魅力に注目が集まりました。

デジタルとアナログの隙間、どちらとも異なるちょうどいい場所に、NFTがあったこと。それが以前の暗号資産ブームとNFTとの違いであり、2021年のNFTブームの正体ではないでしょうか。

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