従来の仮想通貨ブームと「NFT」の決定的な違い 出版業界やアーティストも参入するNFTの特徴
暗号資産とNFTの違いは代替性、つまり「取り替えが効くか否か」と説明されることが一般的です。この違いについて私たちが日常的に利用するお金で考えてみましょう。
皆さんの財布の中に1000円札が10枚あるとしましょう。単に支払手段としてコンビニやお店などで利用する場合は、どの1000円札を使おうとも違いは生まれないかと思います。しかし、その10枚のそれぞれのお札の識別番号や発行年度に着目すると、10枚それぞれが代替がきかない唯一無二のものとなります。
とくに、識別番号がゾロ目であったり発行年度が元号の変わり目である場合などは、希少性が高くコレクションとして額面以上の価値を持つことがあります。
しかしそういった違いは、デジタルの世界では判別がつかないのが現状です。例えば、古典の名作小説をアナログな本として手に入れようとする場合、初版本には高い希少価値がつきます。
一方、電子書籍で購入する場合、それが初版であろうとなかろうと金額は変わりません。同じ情報が載っている媒体であっても、アナログかデジタルかで消費者が感じる価値がまったく異なるのです。
NFTがデジタルデータに希少価値を持たせられる理由
アナログの世界では、限定生産のブランド品、宛名とサイン入りのグッズ、オーダーメイドの衣装などのように、非代替性を生かした商品が多数取り扱われています。
こういったアナログな購入体験をデジタルの世界にももたらすものが、NFTといえるでしょう。NFTを活用することで、本来いくらでもコピーできるデジタルデータに替えの効かない固有の識別情報を持たせ、希少性や唯一性を与えることが可能です。
流通・在庫コストも低く、さらに国内外を問わずグローバルに流通し、誰もが平等に購入できるデジタルデータとしてのメリットも備えています。
まさにアナログとデジタルのいいとこどりを実現する技術なのです。
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