新庄監督と稲葉GM「カッコいいチーム」を目指す訳 子どもたちに憧れられる「全力でやる」チームに
17年から4年間、侍ジャパンの監督として12球団を見る中で、近年の日本ハムに感じる物足りない部分でもある。「子どもたちがファイターズを目指したいなって思えるチームに今、ちょっとなってないんじゃないかなと。僕が今、12球団でどこを目指せって言うならソフトバンク。練習の仕方、シートノック、試合に対する思いも全部が必死。そういうチームになったら強いチームになっていくんじゃないか」。
BIGBOSS効果は着実に浸透
BIGBOSS効果は、3日間という短期間でも着実に浸透。「(若手の)目の色が少し違っているように感じる。つらい練習だけではなく、ある程度のユーモアがありながら、ちゃんとした意図がある練習をしっかりやろうとしている」。
9日の練習中には新庄監督とバリー・ボンズを例に打撃論が盛り上がり、選手にもアドバイス。その過程で2人による“実演”を提案した。「ビッグボスは『あまり肩がよくないから。ごめん、あっちゃん。打てないわ~』って」と断念したが、稲葉GMは打撃ケージに入り快音を響かせた。「これだけやっていなくても、どれだけ飛ぶか。見ていて感じてくれればいいかな」と、ヘッドを利かせて遠くに飛ばすという技術を、選手にお手本として示した。
新庄BIGBOSSに怒られた、現役時代を思い出す。「よく言われましたよ。『あっちゃん、めっちゃチャンスで回ってくるじゃん。いいなぁ。代わってよ』って。全然代わりますよって言ったら『そこがダメなんだよ、あっちゃん』と。そんな感じは今も全然、変わらない」。強烈なインフルエンサーでもあるBIGBOSSとともにチームを、野球界を変えていく。
○…侍ジャパンの監督として過ごした4年間の経験もチームに落とし込む。GMながらジャージー姿で熱心に指導しながら、トッププレーヤーを預かった中で得た知見を生かしてアドバイスを送った。「例えば、丸選手は打つポイントが左足の前と言っていた。聞いたことがなかった。へぇ~と思った。結果を残す人はいろんな理論がある。こういう選手はこう考えていたよとか、そういうことは言える」と、選手の技術向上へ惜しみなく助言を送っていくつもりだ。
グラウンドに1台のワゴン車を招き入れて屋根によじ登り、バットを水平に構えた。遠投を低く、強く投げるための独特な練習法。バット(棒)よりも低い送球を求めた
野手を2チームに分け、競わせることで、各選手の走力をチェック。勝利チームに小型マッサージ器をプレゼントした
午前中に上下真っ赤なジャージーを着用したと思えば、午後は上下黒の装いに。「そのくらいね、人に見られるっていう意識をしてるんで」。選手へのメッセージを含んでいた
選手の練習時間確保のため。「僕たちがやればいい。心を込めてイレギュラーしないようにやっただけ。もう普通のこと」。阪神時代の恩師・故島野育夫氏の教え
捕手を本塁より1メートルほど手前に構えさせ、ショートピッチングを指示。「外野からカットに投げる延長が本塁だった。一緒」
清宮の脇腹をつまみ「ちょっとデブじゃね? ちょっと、やせない?」と減量指示。体重減で「打球が飛ばなくなるのが怖い」と不安に思う清宮に「今もそんなに飛んでないよ」
遠く離れた千葉・鎌ケ谷で練習中の7年目・清水へ、インスタグラムを通じて「僕は調子が悪くなったときこそスタメンから外されないように、守備で1点を防ぐ。ホームラン1本も、補殺1個も同じ打点1。その気持ちで調子が上がって来るのをただただ待って耐え抜いていた。野球はキャッチャーのサインから始まる」と公開アドバイス
捕手、内野手、外野手を入れ替え、本来とは別のポジションでノックを受けさせた。「相手の気持ちがわかれば、愛情を持って送球ができる」
(取材・構成/木下大輔)
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