エヴァの次は999「シンカリオン」コラボへの執念 制作者たちが語る「絶対聞けないウラ話」が満載

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「実はうちの5歳になる孫が大の鉄道ファンでね、それをきっかけにシンカリオンを毎週欠かさず観るほどのファンになり、孫にたくさんのシンカリオングッズを買うことに……(笑)。劇場版『新幹線変形ロボシンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』も孫と一緒に映画を観に行って、すっかりシンカリオン熱が上がったところでね、見つけてしまったんですよ」

左から、ジェイアール東日本企画コンテンツビジネス局の鈴木寿広氏、東映アニメーションの清水慎治顧問、版権事業本部の高橋陽史氏(写真:尾形文繁)

何を見つけたのか。首をひねっていたら、高橋氏が「シンカリオンと銀河鉄道999がコラボしたグッズです」と答えを教えてくれた。なるほど、すでにグッズではコラボが実現していたのだ。

「すでにグッズで絡んでいるならいい形でご一緒できるんじゃないか」と清水氏が思っていた矢先、メーテルをシンカリオンの運転士としてアニメに登場させたいというオファーが来た、「これは運命だ」と清水氏は感じた。

その後はトントン拍子だった。シンカリオンZの世界に出演するメーテルなのだから、デザインも声優さんもこちらから口は出さず、すべて任せることにした。

そして、シンカリオンZチームから小さなメーテルのデザインが上がってきた。「かわいいなあとつい目尻を下げてしまいました」と清水氏が笑う。

月野メーテルの声優を務めたゆきのさつきさんもオリジナルを意識しないように演技してくれたそうだ。

松本零士の絵はこうだ、999の世界ではメーテルはこういう女性だ、ということに縛られることなく、シンカリオンZの世界で自由にメーテルを作れたことに鈴木氏は感謝しているという。

鉄郎とメーテルが結婚?

月野メーテルという名前に決まるまでも楽しい紆余曲折があった。

最初は星野メーテルという名前が案として上がっていたが「それじゃあ星野鉄郎と結婚したことになっちゃうよね」と清水氏は大笑い。そこで、清水氏が「北海道だから、富良野メーテルでよかったんじゃない?」と言えば、鈴木氏もこう答える。「本当は長万部メーテルという案もあった」。

もし長万部メーテルという名前だったら許可しましたか?と清水氏に聞いてみると「僕はOKだよ。でも松本零士先生はどうかな」と笑って答えてくれた。シンカリオンZのコラボの現場はいつも笑顔が絶えない。

月野メーテルが運転士となるシンカリオンZ H5はやぶさ(©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所Z・TX)

今後、月野メーテルはシンカリオンZ H5運転士として重要な役割を担うようになる。他アニメのキャラクターがレギュラーメンバーを務めるという、常識では考えられない発想について質問してみた。

まずはシンカリオンZ H5の運転士は女の子がいい、そこまでは決まっていたという。しかしコラボキャラでいくかどうかは決まっていなかった。でももしコラボできるなら……と、可能性としては難しさを感じながらも夢を広げていくうちにメーテルがいい、いやメーテルしかないという結論に至った。

「松本零士先生は親と子と孫3世代が楽しめるコンテンツを作りたいといつも言っています。こうして孫と楽しめるシンカリオンにメーテルを出してもらえることがありがたいです」と、清水氏は快諾した。

999には1000にならない未完の物語、つまり「永遠」という意味が込められている。このように新しい世代にメーテルが登場することで、メーテル、そして999は永遠に愛される存在となる。

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