「寝たきり獣医師」難病と知らず頑張り続けた日々 中学1年で発症、診断名がつくまでに20年以上
しかもこの時期は、私自身の大きな幸せも身近にありました。それは、今私の隣にいる3歳の娘が生まれたこと。
「その体調でどうやって妊娠、出産を?」と驚かれるかもしれませんが、実は妊娠したことによって全身の血流がよくなり、比較的いい状態で妊娠期間を過ごすことができました。
出産した後も、働くことを辞めようと思ったことは一度もありません。それどころか、思うように「働けない」時期を過ごしたからこそ、「働きたい」気持ちは強くなる一方。
獣医師の専門性が必要かどうかにはこだわらず、さまざまな仕事に挑戦してきました。
獣医師としての知識や経験を生かせる仕事がしたい
「そうは言っても、やっぱり獣医師としての知識や経験を生かせる仕事がしたい」
そう気づいたのは、実は最近のこと。クラウドソーシングで動物関連の文章を書く仕事をしていたときに、動物や飼い主さんの困りごとを解決したいのに……という気持ちが強くなっていきました。
そんなとき、私のSNSのページを見て声を掛けてくれたのが、今の私の職場であるTYLでした。
TYLは「ペットの家族化推進」の実現を目指してさまざまな事業を展開している企業です。今年5月に始めたアニホック往診専門動物病院で、診察前や診療後に飼い主様の相談にオンラインで乗れる獣医師を探していて、私を見つけてくれました。
寝たきりの状態でもできて、獣医師としての専門性も生かせるなんて、願ってもないお仕事です。すぐにお返事をして、TYLに入社。飼い主さま向けのオンラインカウンセリングの仕事を始めて5カ月が経ちました。