地味につらい「カラダの冷え」に有効な4つの対策 冷えた手足には「お腹や背中の温め」が効果的

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③手足など身体の表面に冷えが現れない「内臓型」

胃腸症状などが出ることではじめて冷えがわかることから、隠れ冷え性とも呼ばれています。原因は自律神経(交感神経)の乱れといわれています。交感神経がうまくはたらかないと、②の四肢末端型とは逆に、末端の血管が収縮せず、内臓がうまく温められなくなり、体内の冷えにつながります。この冷えの対策は冷たい食べ物や飲み物を控え、温かい食事を意識して摂ることです。生姜や唐辛子、根菜類など身体を温める食材を取り入れるとさらに効果的でしょう。またストレスの少ない生活や、規則正しい生活を心がけることで自律神経のはたらきを整えることも重要です。

④文字通り、身体全体が冷える「全身型」

基礎代謝が低下する高齢者の方々で多くみられます。対策は基礎代謝の改善であり、バランスのよい食事や、適度な運動習慣が効果的です。運動はラジオ体操のような、全身を動かすような運動がよいでしょう。その他、甲状腺の機能低下によって代謝が低下している場合もあるため、生活習慣を変えても冷えが続く場合は内分泌科への受診をおすすめします。

女性の生理とも密接な関係がある

ここまで一般的な身体の冷えについてお話ししてきましたが、冷えは女性の生理(月経)とも密接な関係があります。月経では、プロスタグランジンというホルモンの作用によって子宮が収縮し、経血が体外に排出されます。この子宮収縮がいわゆる生理痛とよばれるものです。このとき、子宮やその周囲が冷えていて血流が悪くなっていると、子宮の動きも鈍くなり、身体はより多くのプロスタグランジンを分泌することによって子宮収縮を促そうとします。これによって子宮収縮がより強くなり、生理痛もよりひどくなるのです。また、月経では基礎体温が女性ホルモンの働きによって低くなっていることも生理痛に拍車をかけています。

したがって、生理痛の対策はまず普段から身体を温めることが重要となります。タイプとしては②四肢末端型の冷え対策を参考にしていただければと思います。女性は男性に比べて筋肉量が少ない傾向にあるため、通勤時に階段を使う、室内でスクワット等のエクササイズをするなど運動習慣をつけましょう。なるべく冷たい飲食物の摂取を避けることも大切です。これらは普段から続けることが難しくても、生理前に行うだけでも効果があります。

それでも生理痛がひどい場合は、まず内臓である子宮を温めるために下腹部にカイロや腹巻きをあてましょう。下腹部以外にも、腰の下のほうにカイロをあてることで効果が出る方もいます。腰とお尻の間には仙骨という骨盤を形作る骨があり、この部分を温めると骨盤内の臓器、すなわち子宮も温めることができます。なお、上記はあくまで生理痛を一時的に軽減する方法であり、つらい生理痛は我慢せず、婦人科を受診しましょう。

よくある身近な悩みでありながら、なかなか治らない身体の冷え。ご自身の冷えのタイプはどれにあてはまるかこの機会にチェックし、ぜひタイプ別の対策を行ってこの寒い時期を乗り切っていきましょう。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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