成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ 波頭亮著
すでに成熟フェーズに入った日本において、国民が幸せになれる社会の仕組みは、どのようなものか。必然的に国家ビジョンを差し替えなければならないと、著者は説く。
そこでの経済政策の主役は、誰がどれくらい税金を負担し、公的サービスを受給するかの「所得再配分」を決める分配論になる。「国民の誰もが、医・食・住を保障される国づくり」という国家ビジョンに基づき、新しい社会の仕組みを示し、その実現に向け戦略発動すべきだと論述する。
「成長戦略論」のままに経済政策や政治の仕組みを再構築するならば、日本社会は一層暗く沈滞していくだけと、個人主義的リベラリストから「穏健な社会論者」に変身した著者は主張する。
ちくま新書 819円
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