背を伸ばしたい中高生向け「卵と肉」1日の必要量 牛乳を毎日たくさん飲むだけでは不十分だ

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背の高さが遺伝する可能性は、約25%といわれています。ならば残りの約75%は、背を伸ばすための生活習慣や食生活なのです。
好き嫌いや生活スタイルが違えば、兄弟でも身長に差が出ます。特に食生活においては、背の高い人に肉が大好きな人が多く、それも、しっかりと量を食べています。

背の高い人が多い国との身長差は、肉を食べる量の差といってよいかもしれません。最近、ドクターからこんな話を聞きました。小柄な両親が子どもを連れて海外へ転勤になり、海外生活をして帰ってみると、両親をはるかに超えた子どもたちの身長に、周りがとても驚いたとか。

ただ身長が伸びるということだけではなく、この時期にどのくらい上質な骨をつくってあげられるか、ということも本稿で伝えたいポイント。そのためにも必要なのが、動物性タンパク質の量と組み合わせです。

いろいろな情報が氾濫していることで、いつ何を食べればよいのかは、かなり迷うことが多いと思います。また、日本食は無形文化遺産になり、健康食として世界中で関心をもたれてきています。しかし、日本食で最も不足しがちな食材が動物性タンパク質。加えて私が1995年から行っている、食事チェックや血液データの栄養状態からも多くの人に不足しているのがタンパク質です。

長い歴史を見ても、狩猟の時代である旧石器時代は、精進料理ブームになった鎌倉時代よりも身長が高かったとか。身長を高くするためには、肉はとても重要だということが歴史からもわかります。

肉は1日何グラムが理想?

そして、肉をすすめると必ず、「好きなのでたくさん食べています」「食べすぎが心配です」などと言われます。しかし、意外に必要な量が食べられていないのです。

私たちの人体といっしょで、肉もおおよそ60%が水分、20%がタンパク質、20%が脂質です。これを読んで、ピンときたでしょう?

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一般的に100gの肉ですと、肉の種類や個体による差がありますがタンパク質の量は約20g。そして問題は、焼く、煮る、蒸すなどの加熱をすると、タンパク質のアミノ酸が半分失われること。そうすると肉100gにつき、タンパク質の量は8~10gしかとれていない計算です。すべての食材は多くの水分を含んでいて、そこに熱が加われば失われる栄養素も多いということに、ほとんどの人がびっくりします。

そして、この説明をすると、なぜ栄養が不足していたのか、ほとんどの人は理解してくれます。かくいう私も、これは勉強してから知って驚いた、重要なポイントだったのです。

こうした理由から、「肉は1日200gくらいは食べてね」と、アドバイスするのです。そうすると、肉で約20gのタンパク質がとれます。動物性タンパク質として、100点のアミノ酸スコアをもつ肉ですが、それに加えて、多くのビタミンやミネラルなどの栄養素も含んでいます。自分の食生活に合わせて、肉料理を取り入れられるといいですね。

佐藤 智春 予防栄養コンサルタント

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予防栄養コンサルタント、バイタルアナリスト。分子整合栄養医学協会認定・分子整合栄養アドバイザー。バブル期にスタイリストとして多忙を極め、体調をくずしてダウン。その後、「自分の健康は自分が守る」と決意し、セルフメディケーションを目的として分子整合栄養学を学ぶ。1995年より、悩める子どもたちを含む多くの相談者へさまざまな提案を行い、栄養療法の実績を積んでいる。著書に『卵を食べれば全部よくなる』(マガジンハウス)、『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)など。

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