背を伸ばしたい中高生向け「卵と肉」1日の必要量 牛乳を毎日たくさん飲むだけでは不十分だ

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ここで、人体の構成を理解しておきましょう。人体の成分はおおよそ、60%が水分、20%がタンパク質、20%が脂質。水を抜くと、43%がタンパク質、残りの45%はミネラルとビタミン、糖質は1%未満です。

でも、今の食生活を見ると、毎日食べているものといえば、70%が糖質(炭水化物)。タンパク質や脂質は20%以下です。ビタミン、ミネラルは一日の必要量には満たないという、残念な報告があります。

成長期のみならず、日本人の食生活を見ると、大人もタンパク質が不足しているので、積極的に食べることをおすすめしています。そして、大切なのは、「成長期は大人よりもたくさんのタンパク質をとらなければならない時期だ」ということです。

健康な人には、体重1kg当たり1gのタンパク質を毎日とることをおすすめしていますが、成長期の子どもは、体重にかかわらず一日60〜65gのタンパク質の摂取が必要と提案されています(日本人の食事摂取基準・2020年版)。私は、大人の1.5〜2倍である体重1㎏に対して1.5〜2gのタンパク質の摂取をこの時期には提案しています。

タンパク質が「足りない」サインとは?

そして、見逃してはいけないのは、骨が成長をして身長が伸びるとき。体が全体的に大きくなります。それにともない、表面の皮膚も大きく伸びなければなりません。手足の筋肉や臓器も同様です。

最も大事なのは、命に欠かせない血液の量も、大きな体格になった分だけ増量されないといけないということです。このときに、血液の量が体格に追いつけなくなると背が伸びることをあきらめます。なぜなら、人体に酸素を送る血液が不足すると“貧血”という状態が起こり、命を優先にするから。

血液の量も臓器の大きさも成長が止まるまでは、大人よりタンパク質が必要なことを理解して、とにかく賢く食べることを実践しましょう。それから、成長の度合いによってタンパク質の摂取量が不足すると、体にサインとしてあらわれます。

たとえば、骨が伸びていくときの成長痛。また、体格が大きくなるにつれて、最大の臓器である皮膚の材料が不足し、湿疹やアトピーのような症状が出ることもあります。そんなときは、骨が伸びるための皮膚の材料が足りていないかもと考えてみてはどうでしょう。

ほかには、爪の周りにささくれができたり爪が弱かったり、風邪をひきやすかったりするのもタンパク質不足のサイン。

さらには、フラフラして朝礼で倒れたり、少しの運動で心臓がバクバクしたり……。この状態もタンパク質が不足することによって血液の材料が足りない状態、先ほどの貧血症状のサインかもと考えると、身長どころではなく、体が弱い健康状態なのです。

とすると、成長のための材料を生かして、さらに、元気のレベルを上げるためにもタンパク質は重要な役割をしているのです。それから、部活やスポーツで汗を多くかくきみは、もっとタンパク質が必要だということも忘れないでね。

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