中国共産党の第19期中央委員会第6回総会(6中総会)は11日、40年ぶりに「歴史決議」を採択し閉幕した。来年の党大会での習近平総書記(国家主席)の3期目入りがほぼ確実となり、習氏による終身統治に向かう可能性も高まった。
国営新華社通信によれば、中国の進路を変える可能性のある今回の歴史決議は、閉幕後のコミュニケで発表された。歴史決議の採択は1945年の毛沢東氏、1981年の鄧小平氏以来3度目で、毛、鄧両氏は同決議を使って息を引き取るまで党内で権勢を振るうことになった。
新華社が伝えたコミュニケによると、党中央委員会は習氏を「核心」とする党を中心に中国が団結するよう呼び掛けるとともに、習氏の政策を実行し、「中華民族の偉大な復興」を実現するよう求めた。
中国共産党が6中総会、歴史決議採択へ-習氏の終身統治視野も
一方でコミュニケは毛、鄧両氏に加え、江沢民氏や胡錦濤氏らこれまでの党最高指導者の貢献を評価。直近2人の前任者が持つ党エリート層に対する影響力を習氏がまだ完全に排除できていないことをうかがわせている。
新華社は以下についても伝えた。
- 来年の党大会は7-12月(下期)に北京で開催される
- 「共同富裕」(共に豊かになる)と科学・テクノロジーにおける「自立」の推進
- 香港は「混乱から統治」に移行した
- 中国政府は台湾海峡の「両岸関係における主導権をしっかりと握った」
共産党は5年に一度の党大会を来年に控えており、6中総会は最後の主要な集まり。5年の政治サイクルで開かれる計7回の中央委員会総会で最も重要と見なされている。8日に北京で始まった6中総会は非公開で開催された。
党の歴史や将来に関する習氏の見解への政府首脳や軍幹部、省トップ、有力な学識経験者ら約400人の6中総会参加者からの支持は、習氏が3期目に向けた権力基盤を整えていることを強く示唆している。
1945年に採択された毛氏の歴史決議は政敵を排除し、党を率いる「正しい政治路線」を備えているのは自身だけだと宣言することに軸足を置いた。鄧氏の場合は毛氏の評価を全面的に損ねることなく、文化大革命に伴う混乱を総括するという巧みな決議を編み出し、最高実力者への道を開いた。
中国共産党の習総書記による権力強化、中国経済リスク拡大も
インド太平洋の地政学を担当するジェームズ・クックのアソシエイトフェローで、元外交官のチャールズ・パートン氏は、「勝者となった毛、鄧両氏は中央委員会総会や決議を使って政敵の敗北と自身の突出した権力を誇示した」とカウンシル・オン・ジオストラテジー向けの今月のリポートで指摘した。
習氏の場合は排除しなければならない政治的ライバルはほとんど存在しない。この10年で進めてきた反腐敗運動によってライバルは姿を消しており、最高指導部の中央政治局常務委員会に習氏の後継となり得る年齢と経験を備える人物はいない。
原題:China’s Xi Wins Backing for Doctrine Enabling Third Term (1)、China’s Xi to Deliver Party Doctrine to Change Course of China(抜粋)
(閉幕を受けコミュニケの内容などを追加して更新します)
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著者:Bloomberg News
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