メタン削減で連携
COP26に先立ち、20カ国・地域(G20)首脳は先月末のローマでのサミットで、メタンの排出が地球温暖化に大きく影響しているとの認識で初めて一致し、削減の必要性を認めた。COP26では100カ国余りがメタン排出を30年までに20年比で30%減らす枠組みに参加。しかしロシアや中国、インドなどメタンの大量排出国の一部は参加していない。
森林保護で共同声明
COP26に参加した首脳らは2030年までに森林の減少を食い止めるとの共同宣言を発表した。ブラジルやロシア、カナダなど豊富な森林資源を抱える国が参加し、参加国の森林面積は合わせて世界全体の85%を占めている。
脱石炭の取り組み難航
シャルマCOP26議長は今回の会合で「石炭を過去の遺物にする」との目標を掲げた。しかし石炭火力発電所の段階的廃止案は、期待されていたような多くの支持を得られなかった。ベトナムやチリ、韓国などの賛成を確保したが、米中は参加を拒否した。
温暖化対策にコミットする世界の金融企業、合計規模130兆ドルに拡大
途上国の気候変動対策に民間が協力
COP26議長国、英国のジョンソン首相は同会議の優先課題の一つに、世界的なエネルギー移行の加速に向けより多くの資金を確保することを挙げていた。しかし先進国が途上国向け気候変動対策資金として年間1000億ドル(約11兆4000億円)を拠出する目標は達成できなかった。
しかしイングランド銀行(英中央銀行)のカーニー前総裁らの主導で創立された「グラスゴー・フィナンシャル・アライアンス・フォー・ネットゼロ」(GFANZ)に賛同する金融機関は増えており、GFANZの報告書によると、参加企業の金融資産は合わせて130兆ドル。これら企業は50年までに排出量の実質ゼロ達成を目指している。
ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピーの創業者で過半数株主でもあるマイケル・ブルームバーグ氏はGFANZの共同議長を務めている。