日銀は「独立性」を勘違いするな、政府が金融政策の目標設定に介入するためにも日銀法改正を進めるべし
長いデフレのトンネルから抜けられない日本経済。その最大の原因を作っているのは日本銀行の“怠慢”である、と筆者は考えている。
2009年の秋、米・ニューヨークに視察に出かけたのだが、現地の金融マンや政治家からは、「日本は面白い国ですね。いったい、中央銀行は何をやっているの?」と言われた。間接的に筆者をはじめとする国会議員に対する嘲笑である。
一般に、中央銀行の独立性は、「目標の独立性」と「手段の独立性」の2つに分けられる。そして、各国の中央銀行には後者は認められるものの、前者は認められないというのが現時点における多数説となっている。
しかるに、現行の「日本銀行法」においては後者のみならず前者までもが与えられている状態だ。いま最優先すべき金融政策は、間違いなくインフレ目標の設定である。とはいえ、日銀に委ねるのではなく、政治主導で設定することが重要である。そのためにも、日銀法改正が必要なのだ。
これまで提出されてきた質問主意書と政府の答弁書を精査すると、現行の日銀法条文のうちネックとなっているのは、
第3条第1項(日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない) と、
第4条(日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない) である。