追加のHYBRIDはロッキー/ライズの本命なのか? 日産e-POWERと同じシリーズ方式で開く新境地

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1.0リッターターボを継続搭載する4WD車とあわせ、ダイハツは3種のパワートレインについて、「環境や燃費、先進感を求めるユーザーにはe-SMARTHYBRID、街乗りメインで価格重視のユーザーには自然吸気、走りにこだわり、遠出やアウトドアを好むアクティブなユーザーには4WDターボという棲み分けだ」と説明する。

なお、外観上の変更はほとんどなく、ハイブリッド車のみ専用デザインのアルミホイールやグリルパターン(ロッキーのみ)が採用された程度だ。

ハイブリッド車のみメッシュ形状となる「ロッキー」のフロントグリル。エンブレムもブルーとなる(写真:ダイハツ)

ただし、機能面では市場ニーズにあわせたアップデートが施されており、電動パーキングブレーキがハイブリッド全車とガソリン車の上級グレードに標準装備された。パーキングブレーキレバーが不要になったことで、インテリアのセンターコンソールの形状が変更になっている。

電動パーキングブレーキの採用により、シフトレバーまわりのコンソール形状が変わった(写真:ダイハツ)

また、全車速追従機能付ACCには「停車保持機能」が追加され、より快適な長距離運転が可能となった。

ボディカラーは、これまでの「ブライトシルバーメタリック」に変わり、「スムースグレーマイカメタリック」を追加するなど、一部が変更になっている。

そのほか、ハイブリッドモデルには、AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントがオプションで用意された。停車中であれば、スマートフォンの充電や合計1500W以下の電化製品が使える外部給電機能も搭載され、停電や災害時にも活用できる。

低価格ハイブリッドの可能性

ロッキー/ライズの大きな魅力は、室内の広さをはじめとした使い勝手のよさと、見切りのよさを含めた運転にしやすさ、そしてエントリー価格が200万円を下回るコストパフォーマンスの高さにあった。

そこに28km/Lの低燃費と211万円~というe-SMART HYBRIDが登場したことで、そうした従来からの魅力にさらに磨きがかかったといえる。

「ライズ」は「ロッキー」とフロントのデザインが異なる(写真:トヨタ自動車)

ハイブリッドは低燃費だけど価格が高い。そんなイメージを覆すロッキー/ライズのe-SMART HYBRIDは、これまで価格面からハイブリッドを敬遠していた人たちからも選ばれるだろう。

また、ダイハツは軽自動車にもe-SMART HYBRIDを順次搭載することを明言しており、さらに低燃費のハイブリッド車が身近な存在になりそうだ。そうなると、軽自動車の絶対王者「N-BOX」に対するアドバンテージになるだろうし、軽自動車の走りの質感を変える革命児となるかもしれない。

まずは、ロッキー/ライズのe-SMART HYBRIDが市場の中でどのように受け入れられるのかを見定めたいところだ。最大のライバルは、同門トヨタのヤリスクロスになるだろう。

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先川 知香 モータージャーナリスト

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さきかわ ちか / Chika Sakikawa

初めて見たバイクレースでマシンをバンクさせながら膝を擦って進入していくコーナリングを自分もやってみたいと思ったのをきっかけに、マシンを操ることの面白さを知り、その面白さを多くの人に伝えるべくモータージャーナリストを志す。現在の対象は2輪から4輪までと幅広く、Web や紙媒体で執筆中。愛車は Kawasaki Z250 とGASGAS、TOYOTA86 MT 仕様。休日は愛車でのサーキット走行やトライアルにも挑戦中で、公私共に乗り物漬けの日々を送る。

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